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桜が注目される時期に荒れた大地に静かに伸び始めるつくし。
どちらも春の風物詩なのに、雑草の中に埋もれ、どれだけ背伸びしたって桜の大きさに叶いっこないのに、
土の色をしていて、探さないと見つけ出せないのに、
もしかしたら、気づかずに足で踏みつけられ、その姿を留めることができないかもしれないのに、
それでも一生懸命生きようとしていて、その姿に愛おしさを感じます。
それは地球上に何十億人といる、人間の平凡な暮らしに似ているのかもしれません。
いつかキット桜のように華々しく咲きたいと思っていても、その魅力を知られないままに枯れて行く人生みたいで儚く思います。
少し感傷的になってしまいましたが、つくしにもスポットを当ててみたくなり、このような書き出しから始まる投稿となりました。
突然話しが変わりますが、ネットから、県外のきもの愛好家の声が届きますが、その多くが、相談できる専門店がなくなってしまったとか、手にしたいと考えている商品が見当たらないとか、愛好家のご不満の声が頻繁に寄せられます。
今朝も、知人から電話が入り、沖縄県那覇市に住まわれている女性が、着物にカビが出ていることの気づき、そのカビ取りをお願いしょうと思ったら、お取り引きがあった呉服店さんがなくなってしまって、相談できる店がなくて困っている。
そこれで相談したいのだが、那覇市に信頼できる呉服店があったら、その人に教えてさしあげたいのだが、誰か知らないかな~
仕事の依頼かと思いきや、那覇市で信頼できる呉服店さんを教えて欲しいとの相談に、拍子抜けしましたが、いくらかでも力になれるのであればと思っても、あまりにも遠すぎます。
関東や関西なら私のネットワークからご紹介できる店があっても、沖縄県となると、接点がまったく、返事のしようがありません。
数件の仕入先に尋ねてみたものの、お取り引きがない地域みたいで、期待に添えることができませんでした。
他にも、名古屋市のお客様から、或る商品のことでご相談を受けていたもので、お電話を入れると、名古屋市内にきもの専門店と言えるような店が少なくなり、親身になって考えてくれる店が無いというのです。
いずれも午前中の着物相談で、名古屋の方は、呉服店さんへの不満を吐き出すように話されていて、考えさせられるものがありました。
このような話しは、まれにある訳ではありません。
そして私は思います。
全国からこんなにも不満の声が上がっているのに、いまだに耳を貸そうとしない体質に、同業者として恥ずかしく思います。
いろんな情報を共有できる社会の中で、きもの愛好家はおしゃれの仕方を知っていますし、個性を大切にしています。
私たちはその声を受け取り、応えられる努力をするのが呉服店の役割ではないでしょうか?
未熟者の店だけに、お客様の声は何ものにも変え難い財産と言えるかもしれません。
学ぶ謙虚さが求められているのかもしれませんね。
そしていつの日か、努力を重ね、つくしから この桜のように美しい花を咲かせたい。
そんな想いがこみ上げてきます。
そうした中で、札幌のお客様からお礼のハガキが届いていました。
息子さんの結婚式に持たれるバッグをお見立てさせていただいたのですが、暖かい言葉を添えてくださり嬉しく思っています。
ありがとうございます。
長い記事になってしまって、誤字があるかもしれませんが、読み返す元気もなくなってしまって、これで終わりにします。
おやすみなさい。