祭り衣裳の「懸帯(けんたい)」が作れなくなる時代が来るかもしれません

 深夜の広島県の豪雨で土砂崩れが起き、多くの被害者が出たことに、心からお悔み申し上げます。
どうして今年はこんなにも集中豪雨が襲うのでしょう。
温暖化と関係があるのかもしれないが、歴史に残る災害が続いているだけに、近くに山や川がある土地のお住まいの方は落ち着かないのではないでしょうか。
災害が起きる前の防衛策が望まれる、自然環境になったのかもしれませんね。
それでは今日の投稿です。

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秋の気配を感じ、少しずつ店内は秋の景色に変わりつつありますが、待ち構える十五夜を睨み、ウインドーを変えてみました。
見てお判りかもしれないが、お月様と兎がいっぱ・・・
残暑が厳しいと秋を感じられないかもしれないが、取りあえずは、仲秋の名月に焦点を合わせてのディスプレーで、お客様の気持ちを引き付けたいと考えているところです。
この事は絵に描いたようには進まないものだが、店の活気を印象付ける意味でも、かかせない設えだと思っています。
ところで九月に入ると秋祭りが各地域で始まりますが、この祭りにかかせない衣裳に懸帯(けんたい)というものがあります。
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こちらの映像がその懸帯というものです。

お相撲さんの化粧回しみたいなもので、地域によって鷹(たか)や宝船など模様や大きも異なり、石川県特有の祭り衣裳だと聞いております。
実は祭り衣裳についてはあまり詳しくないもので、表現に間違いがあればお詫びしたいと思いますが、この懸帯にどのような意味があのかをを詳しく知る人がいなくてね~
それだけ歴史が古いということでもあるが、獅子舞を持つ人が身につける衣裳だとか・・・
個人の持ち物として代々受け継がれているようですが、毎年、秋祭り前になると、傷んだ懸帯を新しくしたいとのご相談を受けるのです。
しかし、困ったことに既製品として作られていないだけでなく、昔の技術を持って刺繍を入れる人がいなくなっていて、その対応が難しくなっているんですね~
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今回も懸帯のご注文があって、取り扱う業者が似たものを用意してくれたのですが、お祭りがなくなった訳でもないのに、どうして作り手がいなくなってしまったのかが不思議でなりません。
この件に関しては専門外なところもあって、これ以上申し上げることはできませんが、いつでも手に出来ると思っている消費者と、オーダーメイドにシフトを変えたメーカーとの隔たりに、時代が変わったことを知らされました。
これは祭り衣裳に限ったことではなく、着物の世界にも似たところがあります。
採算の取れないものは、作ることを避けようとしていて、作る側の職人に仕事が入らないから技術者がいなくなる。
これが昨今の裏事情です。
今回の件で、需要の少ない商品は、市場から消えて行く道をたどるんだしょうね~
商売はお客様満足を追求するものだと教えられましたが、現実は夢物語になっていることに寂しさを覚えた出来事でした。
今日は帰国した義理の妹を交えて食事をしていたもので投稿が遅くなってしまいました。
では、お休みなさい。

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