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店に着物相談をお受けしていた茨城県からの荷物が届きました。
その荷物はお嬢様の振袖に帯〆帯揚げなどの小物を合わせて欲しいとの相談を受けて届いたものです。
箱の中にはお仕立て上がった振袖・長襦袢・袋帯の3点が入っていました。
そしてお母様からのお手紙が添えてあり、そこにはお子様の成長を見守ってきた足跡が・・・
お嬢様と息子さんの七五三に撮られた家族写真に、大学に入学するまでに育ったお嬢様とお母さんのツーショット写真に、遠く離れた土地にお住いの祖父母が孫の成長を楽しみにしている様子など、なによりも家族を大切にしているお母様の気持ちが綴られていました。
このブログをご覧になられているみたいで、勇気を出してご相談されたとか・・・
私の店は着物のことが判らない方のために存在しているのだから、気軽に相談をいただけることに喜びを感じています。
しかし、コミュニケーションが取れていない店となると、敷居が高いのかもしれませんね。
コンパクトにまとめられた荷物の中に、地球を包み込むような温かな愛情が詰められていて、責任の重さを感じた次第です。
そしてお荷物が届いたことの連絡を入れ着物を広げてみました。
こちらが店に届いた振袖と袋帯です。
叔母に譲ってもらった振袖で、お母様の従妹にあたる着物だそうです。
白地に遠山(とうやま)模様の古典柄で、訪問着と小紋の性格を兼ね備えたセンスのいい中振袖で、
今では目にすることが少なくなった振袖といえるかもしれません。
それがかえって新鮮で、帯とのコーディネートもピッタリ。
生地には地紋が浮き出ていて、振袖の状態もシミ一つなく、お嬢様の成人式を祝うに値するこのです。
しかし問題がいくつかあり、どうしたものかと思案しております。
譲り受けたお嬢様に身長が162㎝だそうで、身丈・身幅・裄が本人の体格に合っていなくて、全体に小さいんですね~
それに裾に「たぶり」がありお直しが必要です。
裏地の胴裏にはカビが出始めていて、できることなら裏地を変えてお嬢様の寸法に近い着物に仕上げると気持ちよく着れるのではないかと考えております。
他にも予測できる問題点が潜んでいて、お直しにコストがかかるだけにご理解をいただけるかが心配でなりません。
おそらく予測していなかったことでしょう。
初めての出会いでもあったもので、遠慮して部分的なお直しを説明させていただいたのですが、改まれ考えてみると、この振袖は袖丈を短くすることで訪問着や小紋としてもお召しになられる着物もあり、この着物を生かす意味でも私に下駄を預けてもらえないかと考えているところです。
このお直しの考え方として、着物と長襦袢を反物で譲っていただいた考えていただければ、コストの概略がおぼろげに視えてくるかと思います。
その際には詳しいお見積りを取ってみたいと思っていますが、お電話では戸惑っていらっしゃるご様子だったもので、私の見解をここに綴らせていただきました。
何人かの仕立士とも相談て、改めてお電話を入れたいと考えております。
この世の中に、この方のようなお悩みを持っていらっしゃる人が山のようにいるのではないかと想像しております。
誰に相談をしたらいいのか判らない。
着物のことが判らないから、知らないお店を尋ねると「新しく買った方がいいと」と、売りつけられるのではないか?
又は、親切に対応していただけないのではないか?
いい年をして、恥をかくのではないか?
いろんなことを考えてしまうもので、だったら着物を着ないで事を済ませてしまったほうが楽だと考えている人が少なくない気がします。
逆に専門家の立場からすると、どこまで踏み込んでお話をしたらいいのか?
疑いの眼差しで視られてしまうのではないか?
初めての出会いを見逃してしまうのではないか?
などなど、苦しい選択を探らなくてはなりません。
しかし、着物を人生の節目に着装したいと心から考えていらっしゃる方には、すべての情報を掃き出し、お客様の選択を問うことが親切ではないかと考えています。
着物を知らない人が多いだけに、立場はお客様とは違いますが心労はお客様と同じであることをどうかご理解ください。

私に私生活を知っていらっしゃるお客様が、取れたての筍を調理せて店に届けてくださいました。
この気遣いに感激しております。
今晩のおかずにさせていただきたいと思っていますが、店のお客様はどなたもお優しい方ばかりで、心が豊かでいられるのもお客様のお蔭です。
ありがとうございます。
今日はネットのことで専門家に診断を受けたのでしたが、私の心はお客様との出会いの方が大きく、このような記事になってしまいました。
最後までお付き合いをいただきました有り難く思います。
それではこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






