♥ 12月に入るとBGMにクリスマスソングが流れ始め、イルミネーションが心の中で輝き始めるようになりました。
耳を傾けていると人恋しくなりロマンチックな気分になるから不思議に思います。
遠い昔の甘い思い出がよみがえりますが、最愛の妻がいなくなった今は寂しさだけが独り歩きするから悲しく思えてなりません。
こんな親父がいうのもなんですが、クリスマスが優しい日になるように夢見るのも悪くないかも・・・
今日の投稿ですが、季節を飛び越えておしゃれな春の装いを紹介したいと思います。
先月心惹かれて手にした品で、仕入れ先の話によればヨーロッパのタンポポを刺繍で描き出した帯だそうです。
画像は帯のお太鼓になるところで、クレヨンで描いたようにジャミジャミになった個所は『しけ引き染』という、櫛状の「しけ刷毛(はけ)」で細筋を染め付ける技法で、帯地を染めてから、そのベースの上に刺繍を入れてタンポポを描いた手仕事で作られた紬地の帯です。
大人可愛い帯だと思いませんか?
この帯を紬の着物の合わせてみると、魔法に掛けられたような大人の優しさが目の中に入ってくるではありませんか?
こちらがそのコーディネートで、控えめな装いが大和なでしこのような艶っぽい味が心を踊らせます。
素敵だと思いませんか?
この装いの味は、草木染の飯田紬の縞柄の魅力と重なり合って引き出されているのでしょう・・・
見逃しそうなタンポポがこのような形で表現されると、紬と化学変化を起こし、素朴感と人肌を感じさせるだけでなく、着る人の心を映し出すから不思議です。
腹は人目を避けるかのようにタンポポの花だけを描き、余計なものを加えていない点も魅力的に思えます。
これぞ口数の少ない大人の味といえるのかもしれません。
このコーディネートに、こちらの帯〆と帯揚げを加えてみました。
それがこちらです。
背伸びするような色合わせもなくて、素直に入っていける組み合わせかと思っています。
帯〆の白い線が清潔感を生み出し品よくまとめることができたのではないでしょうか?
控えめなおしゃれ感に深い味が凝縮された「大人可愛い装い」かと思います。
店のコレクションがまた一つ増えましたが、これを手にしたら春が待ちどおしくなるでしょうね~
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。