先月の末に、お客様から単衣の無地を結婚式の披露宴に着ることができるかとの相談があり、着装日をお尋ねすると7月の上旬だとか・・・
この時期の着物の着装って判断が難しくてね~
そこで今日はその話題を取り上げてみたいと思います。
結婚式の場を考えてみた時に、6月から9月までの期間って、単衣物か盛夏の着物が季節に適した着こなしかと思います。
しかし新郎新婦の母となる第一礼装の黒留袖となりますが、多くの方が暑さを我慢して袷の着物を着ていらっしゃるのではないでしょうか?
冷房が効いているということもありますし、レンタルで借りようと思っても単衣物や盛夏の黒留袖は極めて種類が少なく、夏物になると、華やかさに欠けるところもあって、袷の黒留袖を選択しているのかと考えています。
そしてそれが通用する時代になっています。
次に招かれ側の着物になると、単衣物や盛夏のフォーマル着を持っていらっしゃる方が少なく、ミスの着物である振袖などは、よほどのことがない限り単衣物や絽の振袖を手にすることはないでしょう。
なので、レンタルにしたいと思っても、レンタルにも取り扱いがないのではないでしょうか?
となれば、暑さを我慢して、袷の振袖を着るか洋服で出席するかのどちらかの選択肢しかありません。
ではミセス着物を考えたとき、黒や色留袖・訪問着・附下・色無地の4種類が披露宴の場にふさわしい着物になりますが、これも単衣物や盛夏の着物になると、お持ちではない方が多いのではないでしょうか?
何を言いたいかと申しますと、昨今は暑い時期の結婚式になると、着物のTPOを無視してた着こなしになっているということです。
そして、そのことを疑問に思っている方が少ないということです。
業界人としても可笑しいと言えないところもあり、新しく着物を用意する選択肢がないのであれば、暑くても着物を着ていただけた方が嬉しく思うのが正直な気持ちではないでしょうか?
この話を前置きして、結婚式の披露宴に単衣の色無地を着たいと考えていらっしゃる相談者の話題に移りたいと思います。
色無地は夏物ではなく、裏地が付かない5・6月頃と9・10月に対応できる単衣物になりますが、ご相談を受けて、是非お召しいただくことをお勧めした訳ですが、そうなると色無地の格を上げるコーディネートが必要かと考えています。
そこで、品格のある帯を合わせ、できれば半衿も刺繍衿をお付けになられると、婚礼の席の色無地として格調が高くなことをアドバイスさせていただいたのです。
お持ちになられている帯に綴れの帯があるとのことでしたので、それをお締めになれることをお勧めし、暑さが増すことでもあるので、夏物の長襦袢で対応されることをお伝えしたのですが、数日前に、私に任せるから夏物の長襦袢を仕立てて欲しいとのご依頼がありましてね~
ここからが悩ましい判断が必要になります。
と言うのは、袷の着物に合わせるような刺繍衿にするか、それとも夏物の絽の刺繍衿を付けるかで迷っていましてね~
涼しさを強調するのであれば、こちらの絽の刺繍半衿なんですが、華やかさに欠けるところがあります。
華やかさを出すのであれば、ボリュームのある刺繍衿かと考えていますが、季節的な面で涼しさを伝える衿ではありません。
私としては夏物の衿ではなくて、吉祥柄の刺繍衿に重ね衿を合わせて衿元を華やかにできれなと思っていますが、着装日が7月となれば、この判断が適切な選択なのかを迷っています。
お客様は私の判断に任せると言ってくださっているだけに、見た目の涼しさを優先すべきか、それとも華やかさを持たせるべきか、業界の基本的なTPOの狭間で綱引きが行われているところです。
専門家がこのようにして悩む訳ですから、着物に詳しくない人でしたら、わずらわしいことを避けて洋服にしたいと思う気持ちが解る気がします。
本当にこの時期の着物って、TPOが邪魔になるものですね。
いろいろ悩んだ末に7月号の「あ・うん」が仕上がりました。
納得できる紙面とは言えないかもしれませんが、私なりに一生懸命作文を交えて作ってみました。
何か一つでもお客様に伝えることができたらいいのですが・・・
今晩は子どもたちの晩餐会に招かれ、戻るのが遅くなり記事を書き終えるのに時間が足りなくなってしまいました。
辻褄が合わない記事になっているかもしれませんが、どうかご容赦ください。
それにしても楽しい夕食でした。
それではこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






