夕方に地元新聞社の記者が店に来て、私の店の歴史や亡き妻との出逢いも含め毎月発行している情報紙「あ・うん」のことなど、1時間半近く取材を受けましてね~
何を思って店に寄ってくれたのか判りませんが、いろんなことを聞かれ、閉店時間が過ぎても返る気配がないものでお帰り頂いたのですが、改めて寄せていただきたいと言っていたことを思うと、私の店に興味を持たれている感じがしました。
記者が寄ってくれたときは、お客様からの見立て相談に応えるために映像を撮り込んでいただけに早く切り上げて欲しくてね~
私の話をどのような記事にするのか見当もつきませんが、悪い気持ちがしなかった不思議な時間だったかもしれません。
今日も帰りが遅くなりそうですが、県外から寄せられた相談にお応えしたいと思います。
その方の相談をいただいたのは先月のことです。
店にお孫さんの成人式に準備された振袖を着て記念写真を撮ったのだが、帯〆帯揚げなどの小物がシックリきていない感じがして、着物一式送るから小物のコーディネートをお願いしたいとの相談でした。
そして送られてきたのが、古典柄の赤い振袖に、丸帯だったものを袋帯に作り替えた袋帯と、それに合わせた刺繍衿と重ね衿に帯〆帯揚げでした。
お客様からは生かせるものは使って欲しいとのご要望でしたが、まずは白紙の状態から組み立てをしてみて、その上でお客様と相談をしながら物事が進めらたらと考えるところがあって、幾つかコーディネートしたものをアップしてみたいと思います。
まず先に使った小物を紹介させていただきます。
正絹の塩瀬半衿に刺繍をした半衿(¥34,560の品)。
必ずも刺繍半衿をしなくてはならないものでもなく、白の塩瀬半衿でも構わないと思っています。
しかし刺繍衿を加えると華やかさも増すものです。
そしては重ね衿は画像にある色を使ってみました。(6,480円の品)
この色を使った根拠は、豪華な振袖の模様に中に水色を使っていて、この水色を衿元に入れると色が立ってスッキリするものがあるからです。
選択肢の一つに送られてきた明るい黄色もあるかと考えています。
そして帯揚げは装いにメリハリを付けたくて、この3色を選択してみました。
上から紫に水色が入った絞り帯揚げ(¥27,000の品)
黄色系の絞り帯揚げ(¥21,600の品)
ヒワ系にクリームの色が全体に入った絞り帯揚げ(¥34,560の品)
帯〆は古典柄でもあり、正統派の平の帯〆を選択してみました。
色は水色(¥23,760)とヒワ色(¥21,600)のもを使って組み立てました。
その根拠は、暖色の色の中に寒色に色を入れることで締まりが出るからです。
しかし、色に濁りがあっては色が立たないのではないかと考えております。
以上の小物を使って華やかな振袖をコーディネートしてみたのでご覧ください。
1≫ 重ね衿と帯〆の色を合わせ、帯揚げには紫を・・・。紫に水色が入っていることから、色合いのコンビネーションがまとまるように考えています。可愛さの中に個性を引き出した組み合わせかろ思っています。
2≫ この帯揚げと帯〆の組み合わせに、お客様から送られてきた黄色の重ね衿と刺繍半衿を入れると、このような感じになります。
黄色の重ね衿は無理なく合っていますが、刺繍衿に赤系の色が入れない方がスッキルするのではないでしょうか?
仮に刺繍衿を入れるとしたら、白ベースが多い中に赤を入れたものが品よくまとまると思います。
ポイントは振袖にふんだんの赤を使っているので、赤の使い方に工夫があってもよろしいのでは・・・
3≫ 次に帯揚げを紫から黄色系に変えてみました。こちらも水色が引き立って品のいい組み合わせかと考えております。
4≫ 今度は帯〆帯揚げをヒワ系に変えてみました。
上品さと清楚感があって、重ね衿とのバランスも悪くないと考えております。
5≫ 4のコーディネートに刺繍衿を加えた組み合わせになります。
衿のこれくらいの赤が顔を出すと格も上がるように思うのですが・・・
6≫ 次は重ね衿に黄色を入れた場合のコーディネートです。
水色の重ね衿に比べると色の弱さがありますが、優しい感じにまとまる感じがいたします。
7≫ しかし、ここに送られ来た半衿を加えると、スッキリ感が損なわれる感じが致します。
以上が私の目から見たコーディネートになりますが、このコーディネートを一つの案としてお客様のご要望を入れてみたいと考えております。
ご予算もあるとのことで、ご意見を取り入れながら組み立てを考えたいと思っていますが、色合一つで輝くこともあれば壊れるコーディネートもあることも頭に置いてご検討してみてください。
このように、重ね衿や帯〆帯揚げの色の使い方って、着物に帯を合わせる以上に難しいものがあります。
最後の仕上げの部分が綺麗にまとまって 初めて高価な振袖や帯が生きるのではないでしょうか?
参考にしていただけらた幸せに思います。
話は変わりますが、毎日いろんな方から着物相談が入っていて、その対応に追われる日が続いております。
物事を迅速に進めることができず申し訳ない気持ちでいますが、どんな相談にもベストを尽くしてみたいと思っているので気軽に声をかけてみてください。
それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。