来月神無月展にて信州紬を特集したいと考えていて、おしゃれな装いというものにスポットを当ててみたいと思っています。
おしゃれな装いというからには、紬の種類だけでなく、着物に合わせるおしゃれな帯や帯〆帯揚げ、草履やバッグ、かんざしに足袋に至るまで、とことんコーディネートにこだわってみたいと考えていましてね~
秋の扉が開き、仕入れ先を回りながら構想を練っているところですが、今日はその前哨戦として信州上田紬をコーディネートしてみたのでご覧ください。
採り上げたのは細かな横縞手織紬に、本袋のおしゃれ袋帯の組み合わせです。
誰もが安心できる柄と色合いのコーディネートではないかと思っていて、気軽にお出かけできる着こなしではないでしょうか?
この信州上田紬はグレーとフジピンクの横縞になっていて、秋の深まりなども考えて帯を濃度の濃い紫地にインカ梅鉢紋で合わせたものです。
面白さに欠けていると言われそうですが、これが普通の着こなしと思えるところがあるんではないでしょうか?
この映像では着心地をお伝えすることができませんが、着崩れすることのない紬地の張りと柔らかさがあって、帯に至っては本袋と言って裏地を縫い合わせた袋帯と違って、軽くてしなやかで絹の風合いを存分に味わっていただける帯です。
仮にこの組み合わせで、50代以上の方がお召しいただくことを想定して帯〆と帯揚げを入れてみましょう。
選んでみたのは秋を意識した柿色と緑が入った帯〆にフジ系のちりめん地にグレーで絞りを加えた帯揚げでコーディネートを・・・
バランスが取れた組み合わせかと思っています。
お友達との観劇やお食事会などに気軽に着ていただけるだけでなく、安心してお過ごししていただけることでしょう。
それではこの装いにスパイシーが効いた帯揚げを入れるとどうなるでしょう。
グリーン系の色に猫柄の帯揚げを入れると装いの年代が若くなり、ワクワク感が増し面白味が出てまいります。
となれば、先ほどの帯〆ではなく、赤味のある色に白茶系の色の帯〆でコーディネートを整えると、20代でも着こなせる装いに変身したではありませんか。
単にこれだけのことで装いの年代層が変わることがお判りいただけたかと思います。
これも紬だから成しえる技かと思っていて、細かな小物を合わせまでには至っていませんが、秋の神無月展では細部にわたりおしゃれの手ほどきを伝授できればと考えているところです。
私の好きなジャンルでもあり、着物愛好家の心を惹きつけられる提案をができるように頑張ってみるつもりです。
会期は10月21日(金)~24日(月)までの4日間を予定しているので、どうか楽しみにしていてください。
私は着物への関心度を高める意味で、あえてカジュアルにこだわろうとしていますが、店の役割が何であるかを問いかけるいい機会になるのではないかと捉えています。
後悔を残さないためにも、自身が使える限界の労と目利きを生かしてチャレンジしてみます。
これから先、神無月展に向けて呟くことが多くなるかと思いますが、遠くから見守っていてくださいね。
それではこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






