日々、試行錯誤しながら店作りをしていますが、今日は新しい商品作りにチャレンジしてみたので、その想いを添えて紹介してみたいと思います。
実は、帯の図案を娘たちと考え、それを京都の職先に染めに出していたのですが、今朝、その品が店に届きましてね~
それがこちらのテディベアの染帯です。
手描きで染めた当店のオリジナル品で、この帯を作ってみたいと思ったきっかけは、原案となる帯を仕入れ先で目にしましてね~
とても可愛いテディベアの柄だったもので心に留まるものがあったのですが、私が想い描くものとは違い、あれこれ作り手に注文を付けると、新しく作りましょうかと、逆に仕入れ先から振られ、そして店から図案を提示して染めてもらったものです。
画像は帯を締めたときのお太鼓になるところです。
ではこの帯を使って春向きの装いをコーディネートしてみたのでご覧ください。
それが無地風の水色系の小紋に合わせたコーディネートです。
図案の段階で、お太鼓に何か模様を足そうかといろいろ考えてみたのですが、スッキリしていた方が強調したいテディベアが浮かび上がると考え、大きさを揃えた三姉妹にしてみました。
そして帯の地色は、合わせる着物の色を選ばない墨色で・・・
この場では無地風の小紋に合わせていますが、模様が詰まっている着物でも、お太鼓に空きスペースがあるので合わせやすいのではないかと考えています。
そして、一番苦心したのが正面になる腹の部分の模様です。
取りあえず帯〆帯揚げの色を入れたコーディネートをご覧ください。
腹の模様が帯〆とかぶらないことを なによりも重点において考えてみた模様です。
というのも、いつも着物コーディネートをしていて、見せたい模様が帯〆で隠れてしなうことを不満に思っていましてね~
どうしたらいいのか?
そこから図案の構成が始まった訳ですが、いろんな図案を考え見た結果、幸せを呼ぶとされる四つ葉のクローバーをワンポイントで上段に入れ、帯〆が入るスペースを開けて、着物と繋がる下の部分をベージュ系のドット柄で考えてみました。
ドット柄をベージュ系の色にしたのは、年代幅が広がることもありますが、いろんな着物の色と繋がる色でもあり、紬の着物にも合わせやすいと考えてのことです。
ちなみにお太鼓にあるテディベアの洋服にも、左端の一体に、四つ葉のクローバーを入れて帯のストーリーを演出してみました。
いかがでしょう・・・
着物を着る面白さと、幸せな気分になれる帯になったかと考えているのですが・・・
手描きだけにコストも高くつくものになりましたが、新しい出逢いを探したいと思う気持ちもあって、10万円代後半のお値段を付けさせていただきました。
言葉が過ぎるかもしれませんが、世界に一つしかないおしゃれな帯です。
是非、こちらの帯で楽しいきもの時間を過ごしてみてください。
また、この場で用いた無地風小紋は、お子様の入卒時に、お母様がお召しいただける着物でもあります。
その提案を初売りに開催することもあって、着物の格を上げる袋帯でコーディネートした画像もアップしてみました。
参考にしていただけたら幸いです。
話は戻りますが、オリジナル品を作るというのは単価の安いものではないので怖いものがあります。
しかし、それが市場で認められ物であったなら、大きな自信に繋がることでしょう。
私は他店との差別化を図れるオンリーワンの品という満足度よりも、着物愛好家の心を揺さぶる品となるのかが知りたくて作ってみたものです。
ある意味で、店の方向性を示すものになると捉えています。
新しい店作りって容易いことではありませんが、新しい年に向けて踏み出す勇気を持ちたいですね。
それでは今日これにて・・・
お休みなさい。