冷たい風が吹く一日でしたが日差しは春を予感させるものがあり、加えて明日で2月も終わるもので、「今から・これから」という気持ちが湧き上がるものがあります。
厳しさを感じた2月でしたが、過ぎたことを考えていても仕方なく、事あるごとにリセットすることを心がけていて、訪れる3月を見据えて店内の模様替えです。
途中から娘たちも加わってくれて、風呂敷きのコーナーの演出に知恵を使っている姿に勇気付けられるものがあります。
まだ模様替えの途中ですが私流のリセットは春に近づけるものがあったようです。
話題は変わりますが、郡部で店舗を持っているといろんなご相談が入ってまいります。
多くが着物をよく知らない方からの相談で、昨日、初めて店にお越しなられた方が娘さんに訪問着を一式用意すろと、どれくらいの金額がかかるものなのかの相談がありましてね~
お一人での来店でした。
それは着物を着るのに必要な和装小物まで入れた金額を指すもので、過去のお客様の例を上げ、商品を目の前にして説明を加え、品質の差でお値段に開きがあることをお話させていただき、その後にご予算をお尋ねすると、30万円以内に収めたいとのことでした。
喜んでお受けしたいと言いたかったのですが、訪問着・袋帯・長襦袢を見立てし、そこにお仕立てや裏地などが入って草履やバック、帯〆帯揚げ、そして和装小物を加えるとなると、請け負った金額で喜んでいただけるお見立てをさせていただく自信がありません。
ある程度金額に含みを持っていただけるといいのですが、以内となると、どこかで手抜きしなくてはならないし、後に問題が起きたときに誠実に対応できないかもしれません。
そこで、少し無理があることを申し上げてから、色無地や小紋で見立てたときの金額や、草履バッグの金額の違い、着物の種類で合わせる帯〆帯揚げが金額や種類でも異なることをお話させていただいて、もう一度検討されることをお勧めした次第です。
お客様は古典柄の既製品やポリエステル地の着物も選択肢の一つにあったご様子で、それを手にしたときのデメリットも説明させていただいたのですが、ご理解をいただけるものであったのかは私には判りませんでした。
このようにして時間をかけて説明を加え、ご縁をいただけるものであれば尋ねて欲しいことを伝えるだけに止まってしまいました。
お戻りになられてから、他の店だったらどのように対応するんだろう?
約束を交わし、自店の土俵の上に上がっていただいてから、言葉巧みに予算を超えるものをお勧めする接客法もあるのかもしれませんが、私にはそれができません。
かといって、問題のある商品を集めてお顔映りがベストでなくても、「お似合いです」と言って売り込むこともできません。
つまり店とお客様の信頼関係がないと気持ちのいい見立てはできませんし、お客様のご無理をお聞きすることも難しくなります。
それが長続きするコツではないでしょうか?
昨日のお客様は他店でお求めになられるか、それともお支度を断念されるのかもしれません。
いずれにしても売り上げを逃したわけでもったいない話です。
着物を知らない方にご理解をいただくことの難しさを嫌というほど味わっておりますが、もしも幸運の女神がいたとしたら再び訪れていただけるかもしれません。
私は女神がいることを信じたいです。
夕方に顔見知りの男性のお客様がお越しになり、5月中旬に着物を着ることがあるので、自分は何も分からないから見立てて欲しいとの相談をいただきました。
男物の着物一式です。
お客様が着る目的や社会的立場も承知しているだけに、何を重要視したらいいのかを私に委ねてくださって責任の重い仕事になりそうです。
その方も着物初心者で私を信頼してくれていて、本当に嬉しく思っております。
昨日のお客様と比較するものではありませんが、自分がプロを目指すのであればどのようなお客様にも誠実に対応したいと思っています。
しかし、初対面で着物に知識のない方との関わり合いの難しさに苦慮するものがあるんですね~
終わってしまった話ですが、これでいいのでしょうか?
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。