北陸の地に再び雪が降り始めました。
薄っすらと屋根や道路に雪化粧する程度ですが、降り止むことのない一日で寒さが身に応えています。
なごり雪だと思っていますが、雪が降りやすい天気は金曜日まで近く続くみたいで春が遠くへ行ってしまったかのようです。
悪戯に私たちを慌てさせる冬の終わり。
そして、出し惜しみする春。
遥か遠くで冬と春が話し合いをしているみたいで、私たちはそれを受け入れ空を見上げては、「明日はどんな天気になるのだろう」と、想いを寄せるのでしょう・・・
そのような中で、地域の中学校では卒業式を迎ます。
3年生を見送る担任の先生は複雑な心境でいらっしゃると思いますが、その日を紋付羽織袴の第一礼装で送り出そうとしていらっしゃる男性の先生がいらっしゃって、そのお母様から、
「息子は校舎を出て生徒たちを見送るに違いない。式典の当日は雪が振るようなので男物の和装コートを用意したい。」と、急な相談がありましてね~
そのお客様は数年前に卒業式に臨むために黒紋付羽織袴を一式誂えられた方で、この雪を心配しているご様子でした。
そこで今日は男物和装コートを記事にしてみたいと思います。
男物あっても着物コートなればご自身の寸法にあったものを誂えるのがベターかと思いますが、ご予算の関係もあるのか既製品を調達される方が少なくないようです。
素材は表がウールで裏地にポリアステルの黒系の無地が付いたものが主流で、色は、黒系、ダーク系、茶系が多いようです。
その中においては、こちらにある千鳥格子は昔の商人コートの形ではありますがおしゃれ感があるものといえます。
この映像からは模様が見辛いものがあるので画像を大きくしてみましょう。
前は隠しボタンで、着丈の半分くらいまでの間に5つのボタンが付いていて、その下は動きやすさを考慮してオープンになっているものです。
この千鳥格子がダンディーでしょ・・・
勿論、袖は着物袖になっていまして、両脇のポケットを備えています。
和装になると洋服のようなデザインを加えられないもので、おしゃれ感を出しにくいものがありますが、このようなコートを一枚持っていれば、冷たい雨風や雪にも防寒の役割を果たしてくれることでしょう。
男物の着物を持っていても、コートまで揃えている方が少ないのではないかと思ってここに紹介させていただいたものですが、お値段は5万円代から10万近くするのが一般的かと考えています。
是非とも参考にされてみてください。
男物の和装コートの話はここまでにして、広島県から風呂敷の注文がありましてね~
オンラインショップから注文を入れたかったそうですが、不具合があったみたいでお電話が入ってきたので、幾種類かに分けて枚数をいただくものでした。
正直、嬉しかったです。
というのは、娘たちに風呂敷の提案をどうしたらいいかを持ちかけたときに、長女は風呂敷包の講習会の案を出してくれて、次女はオンラインショップで勝負してみたいようなことを言ってくれました。
それからそれぞれのやり方を考えて動き出してくれたのですが、オンラインショップの方が手応えが薄くて、素人がネットをかじっても通用しないのかな~
そんなことを思っていたときだっただけに、ご注文が入ってきて次女の努力が報われた気がしました。
たかが風呂敷、されど風呂敷。二人の娘たちが知恵を絞ってくれたことは、私に多くのことを語りかけてくれるものになっていて、売り上げでは計れない尊いものを教えてくているように思っています。
広島のお客様に感謝したいです。
ありがとうございました。
そのお客様とは電話でお話をさせていただく機会に恵まれた訳ですが、このブログを見てくれているみたいで、「いろいろご苦労があるみたいですね~」と、優しい言葉で労ってくださいましたが、女の子のお孫さんが小学校を卒業されるみたいです。
その孫さんが卒業式に袴を着たいというので、広島カープの優勝セールで袴を買い求めたとか・・・
そのようなお子さんが確か7人いるようなことを話されていましたが、ここにも着物愛好家の卵がいるかと思うと、重ね重ね嬉しいものがありました。
北陸の地は再び冬に舞い戻りましたが、私の心には一足早く春が届き始めたことを感じさせくれるこの頃です。
娘たちのためにも、そして、なによりも自分が追い続ける店であるためにも訪れた春を実のあるもにしないといけませんね。
そして3人の女性陣たちは、和雑貨コーナーの模様替えに動き始めてくれました。
それではこれにて・・・
お休みなさい。