浴衣商戦を振り返って・着物相談「色留袖のTPOについて」

どうして、毎日こんなにも暑いのでしょ・・・

体力は消耗するし、集中力も失いつつあり、夏バテかもしれません。

 

仕事にも身が入らなくて、困ったものです。

誰かそんな私に刺激をくれる人がいるといいのだが・・・

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虫のいいことを つい考えてしまいかすが、今日は暑さに悩まされた今年の浴衣商戦を振り返ってみたいと思います。

 

私の店は5月のゴールデンウイークから浴衣を展開していますが、例年の浴衣商戦と比較して、前半戦は順調に動いていたものの、6月の10日過ぎ頃から夏本番に近づくにつれ、ペースダウンしていった気がしています。

 

特に花火大会近くなると、いっきに盛り上がりを見せるのですが、連日の猛暑日に消費者が浴衣を買うタイミングを失ってしまったのではないかと考えています。

  

 

メディアの報道では、連日の猛暑日で水着や浴衣が良く売れているようなことを記事にしていましたが、どうも仕掛け人の情報をそのまま流していたのではないかと考えていて、重ね着をする浴衣は逆に消費を鈍らせたところがあったのではないでしょうか・・・。

 

仕入れ先からの情報からも、そんな感じで今年の浴衣商戦をみています。

 

前置きが長くなりましたが、良い結果で幕を閉じたとは言い難く、浴衣の仕入れと予測の甘さを素直に反省しています。

 

そうした中で、一つ特徴的だったことは、反物から仕立てるオーダーメイド浴衣が全体の9割近く占めていたことです。

周りを見渡してみても、反物を揃えている店はほとんどなく、自分の寸法にあった浴衣を探している方が増えているのではないかと解釈しています。

 

いずれにせよ、終ってしまった浴衣商戦、お役目を終え売り場を離れることとなりました。

 

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ところで、或る方から色留袖のTPOについての相談をいただき、そのご返事を送ったのですが、皆さんにも参考になればと思い、文面をコピーし、このブログのアップしてみました。

 

こちらのホームページでいつもお勉強させて頂いております。今回も難しい色留袖の「位置づけ」について、ご専門家からの信頼出来るアドバイス、大変参考になりました。ありがとうございます。

 

甥の結婚の折、比翼仕立て3つ紋の色留袖を着て出席したところ、「場が華やかになった」と姉夫婦に大変喜ばれました。ところがその後、友人の結婚披露宴に着て行き、「あなた、いったい何様?」というような雰囲気で気まずい思いをしたことがあります。

 

友人知人の結婚披露宴やら、茶道のお面状の授与式、初釜などには気張り過ぎなのでしょうか。比翼を外して訪問着に仕立て直すというような利用法は可能でしょうか。

 

 

色留袖のTPOですが、家紋の数が多くなると格が上がるのが着物の世界です。
ご友人の結婚披露宴に色留袖(三ツ紋の比翼付き)をお召しになられたことは、相手を敬う意味では間違っていないように思います。

私の考えですが、色留袖は留袖のグループに入る着物だと解釈していて、それを訪問着のグループに入れることに無理があるように思います。

仮に比翼を取ったとしても家紋が三ッ入っていては、その着物は色留なのか訪問着なのか、あいまいなお召し物になってしまい、貴女様の常識を疑われることにもなりかねません。

なので、留袖の位置付けでお召しになることがよろしいのではないでしょうか・・・。

最近はこの色留袖を販売したいがために、一ツ紋で色留袖と訪問着の両方の役割を果たすことをセールストークにしていますが、私にはその理屈が解りません。

留袖としての役割を果たすには、家紋の数と白い比翼がセットになっていることが必要で、訪問着は袖や衿・胸などに柄が入っているから訪問着なのです。

 

これは私の見解ですが、色留袖と訪問着は性格が異なる着物です。

気楽な関係で披露宴に主席したいと考えるのなら、その時は訪問着がベターだと考えるのも有りかもしれませんね。

 

どうか参考にしてください。

 

記事の途中にアップした写真は猫柄の染め帯です。