店には新規のお客様が多くいらっしゃいますが、今日も30代の女性が大きな袋を手の持って、半衿が付いているか見て欲しいといって訪ねてこられました。
詳しくお話を聞かせていただくと、アンティークショップで着物と帯、そして肌着と長襦袢が合体した半襦袢を求められたそうで、今晩、この着物を着たいとのことでした。
そして袋から出して見せてくれて、半襦袢に半衿が付いていないことを申し上げると、半衿を両面テープで付けることが出来るのかと問われましてね~
勿論、無理があることを申し上げ、針を持ってチクチク縫うやり方を説明させていただいたのですが、念のために、寸法がご本人に合った着物なのかを計ってみると、身丈は身長に合ったものでしたが、裄(腕の長さ)が短い感じがして、半襦袢の裄を計ってみると、着物より3㎝近く長いことに気づきましてね~
これでは半襦袢が着物からニョッキと出てしまいます。
そこで長襦袢の代わりをする半襦袢の肩上げも必要であることをお話させていただいたのですが、初心者とあって不安そうな顔をしていることが判りました。
そんな足り取りをしていたときに、タイミングよく仕立て師さんが仕上がった着物を持って来てくれましてね~
仕立て師さんに事情を説明して、お客様に縫い方のアドバイスをしてもらったのですが、不安そうな表情が取り払えない様子を悟ったのか、仕立て師さんが、「しばらくお待ちいただけるものなら、ここで半衿を取り付けと肩上げをしてあげる」と言ってくれましてね~
運よく緊急事態を回避することができましたが、このようなケーズがあまりにも多くあり、地域の方と寄り添う便利屋さんになっていることをどのように解釈したらいいのか複雑な気持ちでいるところです。
さて、今日は県外の方から宿題をいただいている見立て相談の件で記事をまとめることと致します。
映像が多くなりますが、よろしければ相談者の気持ちになってご覧ください。
二日前に、送られてきた附下に合わせる帯を提案させていただきましたが、今朝お客様から電話が入り合わせる帯が絞られました。
お客様から帯の全体像が見たいとのご要望だったので、まずはその映像から・・・
お太鼓と垂れ先の映像です。
こちらがお太鼓柄になり、金銀糸の輝きを抑えた手織の帯で、名物裂文様の「有栖川文(ありすがわもん)が入った上品な袋帯です。
軽くて締めやすい正統派の帯だと考えています。
腹に出る個所は左側で、手先にも模様が織られているものです。
こちらの帯でしたら、流行に左右されることもありませんし、黒留袖、色留袖、訪問着、附下、色無地などのフォーマル着に問題なく合わせていただけることでしょう。
こちらの帯が絞られたことで、帯〆めと帯揚げのコーディネートも相談を受けていまして、これから先は、そのこーでぃねーとを映像で紹介させていただきます。
帯揚げ左・・・品番:00261 右:04041
コーディネートに使わせていただく帯揚げは、この2点が妥当ではないかと考えています。
まずは左側の帯揚げを使ったものから・・・
1〉帯締め帯揚げ・・・品番:08244
2〉帯締め帯揚げ・・・品番:08244
3〉帯締め帯揚げ・・・品番:04203
4〉帯締め帯揚げ・・・品番:00423
次に右側の帯揚げを使ったのコーディネートととなります。
5〉帯締め帯揚げ・・・品番:02124
6〉帯締め帯揚げ・・・品番:08082
7〉帯締め帯揚げ・・・品番:02124
8〉帯締め帯揚げ・・・品番:02124
個人的にご年代のことも考えて、1〉、3〉、5〉が適当ではないかと思っております。
これもお客様の好みなので、第一印象を大切にされてください。
草履台・・・左上(うす金)品番:06192 右上(うす金系)品番:06192
左下(パール)品番:04842 右下(白金) 品番:04842
そして草履も加えたいとの事でしたので、こちらの4点を提案させていただきます。
先日お話を交わした折に、幅広の小判型よりもスリムな舟型タイプふさわしいと思えるものがありまして、M寸の舟型の台をセレクトしてみました。
この映像を❶とさせていただきます。
かがとの高さは、❶の映像の上段二つが6㎝で下段が5㎝くらいでしょうか。
こちらの草履台に鼻緒を選んでみました。
1〉鼻緒・・・品番:06381(左右刺繍柄)
2〉鼻緒・・・品番:06381(左右刺繍柄〉
3〉鼻緒・・・品番:02151(左・組紐)
私の見立てとしては、❶の映像の上段にある高さ6㎝の台に、鼻緒を1〉の左側か、3〉の組紐の鼻緒ですげ上げると素敵かと考えています。
しかし、どの品も適当かと思っているので、ご自身の好みを大切にされてみてください。
以上が私からの提案です。
できる限りクリアーに判断できるように私なりに考えて映像を撮りこんでみましたが、離れた距離を埋めるものになれば嬉しく思います。
今回はこのような形で帯〆帯揚げをコーディネートさせていただきましたが、色の入れ方で着物の表情が変わることがお判りいただけたかと思います。
たかが帯〆、されど帯〆。このことを頭に置いて迎える春を着物で楽しみたいものですね。
今日は午後から二人の孫が店に来ていまして、とても賑やかな時間を過ごすこととなりました。
安心せて見守っていいられるときは、おやつを食べているときか外へ出したときで、それとて、事故に遭わないかハラハラさせられるものがあり気が抜けません。
会話ができまでもう少し月日がかかりそうですが、会話ができるようになればスムーズなコミュニケーションが図れるのではないかと思っているところです。
そんな訳で、今日も忙しい一日でした。
それではこれにて・・・
お休みなさい。