古典柄の「白地に紺のゆかた」と「白地の反物子供ゆかた」から着物専門店のあり方を考える

   これまであったものが少なくなっていることが業界の中に起きていまして、中高年さん向きのゆかたが意外と市場には少ないのではないでしょうか?

私がこの業界に入ったときは、ゆかたといえば「紺地」か「白地」くらいしかなく、それを湯上りや夕涼み、夏祭りなどに着たものです。

それが今ではカラフルな色合いに変わり、若い人たちは積極的にゆかたを着るようになり、Tシャツを着るかのごとくファション化しています。

そのことで、昔のような「単色のゆかた」がめっきり少なくなっているのではないでしょうか?

そんなことが頭をよぎり、白地に紺で染めた古典柄ゆかたを紹介してみたいと思います。

sitosiniainoyukata.JPG昔を懐かしむものがあるかと思いますが、これが古典柄の「白地に紺」のゆかたです。

この逆バージョンが「紺地に白」のゆかたになりますが、どちらのパターンも生産が少なくなっている感じがします。

現代人のゆかたに対する価値観の違いもあるのでしょう。

個人的には心が落ち着くものがあり、これが日本のゆかただと思っているのですが・・・

この中からゆかた帯を合わせてみましょう。

DSC_0007sirozinoyukatawoko-dhine-to.JPG年代層の若い人であれば、水色が入った単衣博多織の紗織のもので・・・

DSC_0005sirozinoyukatawoko-dhine-to.JPG浅めにグリーン系の帯にされると、年代層も少し上がるかもしれませんね。

いずれにしてもコーディネートの奥に風情ある光景が目に浮かぶものがあります。

仮にこのゆかた姿がおかあさんの着こなしだとしたら、小さなお子様も白地のゆかたにされると親子関係に繋がりがあって可愛いでしょうね~

DSC_0008kodomosiroziyukata.JPG例えばここにある白地の子供ゆかた地がお似合いです。

白地繋がりのおそろいのコーディネートかと思いますが、縁日などで家族写真を撮ったら記念に残るでしょうね~

素材も染もしっかりと作り込まれたもので、反物は大人のゆかた地の2/3の長さのもので、お子様の体の大きさを基準に大きめに仕立てをして、身丈と裄を調整して着るものです。

これを縫い上げといいますが、仕立て方では3・4年着れるものになります。

近年は仕立て上がりにゆかたが合理的だと考えられる方が多くなり、古典柄子供ゆかたの反物がめっきり少なくなりました。

量産された既製品との金額の違いが明暗を分けるものになっているようで、あつらえという価値観が薄らいでいることに寂しさを感じています。

DSC_0014kodomoyukatawoko-dhine-to.JPG番外編として水色の子供ゆかたをコーディネートしてみました。

帯との色合いも合っていて、とても可愛いものがあります。

房帯をシルクの絞り染めで組み合わせたもので、可愛さのポイントはゆかたの色柄もありますが、房帯の色も重要ではないかと考えています。

ナイロン製の房帯とは色の発色も結んだときの柔らも違い、滑らず緩んでこないものですが、このシルクの房帯も生産が少なくなっていて、価格面でのニーズの変化に押し切られている感じが致します。

その意味でも、着物専門店が様々な角度から量販店との違いを情報として出さないと片寄った市場になり、これまであったものが消えていくですね~

それは着物専門店の存在そのものが問われるもので、ゆかたであっても消費者が気軽に相談で見る体質を築いていかないといけませんね。

それではこれにて・・・
お休みなさい。

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