涙市に引き続き和雑貨半額市をやろうとしていて、仕入れ係としては、その役を降りなければならない立場にいるのではないかと思うところがありましてね~
そのことを引きずりながらの京都出張となった訳ですが、京都へ向かうために電車に乗り込み、車窓から目覚めたばかりの田畑や家並みを眺めていると、心の中で呟く声が聞こえてまいりました。
どこへ向かいたいのか?
何を手にしたいのか?
いつも迷っていて、その答えを見つけ出せないでいる。
掻き集めた全財産が1万円しかなかったら、その1万円を持って京都に向うことができるのか?
それとも背に腹は代えられないといって食費に使ってしまうのだろうか?
40年あまり走る続けてたどり着いた小さなステーションに私はいる。
そこには、その先を繋ぐ案内表示がいくつもあって、それが目に入る。
どうしょう。
引き返そうか?
見たことのない世界は実に気力的だ。
何も考えずに新しい世界へ向かうことだってできる。
だけで、1万円ぽっきりではたどり着けない世界だ!
どうしよう・・・
ホームに立っていると電車が止まり、目の前で扉が開く。
背中を押すものがいて、乗り込むと扉が閉まり走り始めた。
アナウンスが入り京都に向う電車だった。
それでいい・・・
それでいい・・・
これしかないと諭すものがいて、それを受け入れる自分がいる。
仕入れ係として手にした1万円の重みを嚙みしめ、もう一度チャレンジしてみよう。
後は何とかなる!
京都行の電車に乗り込めたことを良しとしなければならないのだろう。
これでいい・・・
足を踏み入れてから考えればいい・・・
考えるのはそれからだ!
いつしか深い眠りに入っていましたが、仕入れ係として秋から春にかけての商品のセレクトを目的とした出張で、いつもと変わらないはずなのに、ここしばらくの商品のプライスダウンに自信を失くしていまして、もう一人の自分が語りかけてきたのでしょう。
恒例となっている古布の雛人形の新作発表会。
前回の店内での雛人形展が不振だったために、お雛さんの仕入れを最小限に控え、その代わりと言っては何ですが、他の木目込み人形を選んでまいりました。
その一つが古布ちりめんの「花嫁さん」
正面に立つ黒留袖を着た人形です。
花嫁の文金高島田(ぶんきんたかし まだ)に癒されるものがあり店の来てもらうことにしました。
他にも、目新しい商品を用意することができましたが、果たしてそれらが店の客層に合ったものなのかは、これから試されることになるでしょう。
仕入れ係として、とてもプレッシャーを感じさせられた一日でした。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






