今年初めて訪れた京都は、1月というのに比較的暖かく感じました。
新しい年を迎えただけのことで、いつもと変わらず仕入れ先を回ってみて、同業者が少なかったように思います。
一部の仕入れ先で2018年度のゆかたが発表されていたり、夏帯の受注会をしている先もありましたが、おおむね春物の対応でした。
訪れた先々で今年かける期待と不安が見え隠れしていましたが、或る仕入れ先の社長さんは、オリンピックバブルの風が東から西に流れていて、その風をいかにして受け止めるかが明暗を分けるのではないかと分析されていました。
前向きな考え方で、経営者の手腕が問われる年になるのかもしれません。
しかし現実は業界関係者の高齢化が影を落としていて、物作りの職人さんの確保に危機感を感じている先もありました。
そうした中で私が感じたことは、どこの仕入れ先も新しいことにチャレンジするという心意気とでも言うのでしょうか、明確な旗を掲げている先はなく、基本路線を堅実守り、この難局を渡りきろうとしているかのようで、みんな迷っているように感じ取れました。
今年も現実を見ながら、かじ取りをする業界に留まる気配がしますが、今回の出張は、4月の卯月展に取り入れてみたい商品がありまして、その商品を作っているメーカーさんの会社へ尋ねることでした。
その会社は西陣にあり、御召し一筋に着物と帯を作られている会社です。
昨年その商品に触れる機会があり、様々な御召しがある中で扱ったことがない商品でした。
品質の良さに驚かされた訳ですが、作り手の想いを知りたくて今日という日を選んで足を向けたものです。
初めて顔を合わせるもので、最初にお話を聞かせていただくと、メーカーさん目線と消費者の立場に立つ私の目線と噛み合わないものがありました。
しかし、その後に商品を拝見させていただくと、通い合わなかったものをすべて商品が語りかけてくれましてね~
一級品の御召しで、物作りに誇りを持って作っていらっしゃることが、拝見させたいただいた商品から見て取れました。
他にも回りたい先があり、掘り下げたお話をすることができませんでしたが、私の心は大きく傾いたことだけは確かです。
朝早く京都に向う車中で、朝日が射し込む琵琶湖の空をぼんやりと見ながら、2018年は、私に何を語りかけてくれるのかを期待して訪れた京都でしたが、厚く張り詰めた雲の合間から少しだけ青空を見ることができたかも。
慌ただしく走り回り、置き忘れて来た手荷物がありましたが、新しい年がハッピーに終わらせることができるように、信じてみたいことにチャレンジしたいと心に誓い、京都を後にした私でした。
それではこれにて・・・
お休みなさい。