今日は私たちの地域の入学式でしたが、無情にも午前中は雨が降る寒い日となり、着物で式を迎えられた方は、余計な気遣いがあったではないかと思います。
今朝は小学校に入学されるお母さんの着付けを受けていまして、連日早起きで睡魔が襲う日だったかもしれません。
現在店は4月20日(金)からの「御召展」に向けてお客様へご案内を入れているところで、今回当店が披露させていただく御召がどのような品なのかを、映像と共に紹介させていただきたいと思います。
ここにアップさせていただいた着物は、その西陣織で織られた御召になります。
ボカシの絵羽付けと言いまして、訪問着の一種になる着物で、京都西陣で糸を染めてから手織で作られたフォーマル着となるものです。
あっさりしていて、品のいい着物だとは思われませんか?
こちらの御召は、曽根武勇(そねぶゆう)さんという御召作家が作られたもので、他に類を見ない着物かと思っております。
染めたボカシ染め着物は多くありますが、織物でボカシが合うように織るには、熟練の技が求められるもので、織り上げたときの生地の風合いやしなやかさは、柔らか物の着物とはまったく別物だからです。
この画像は、今ほどの着物を拡大したもので、菱の地紋を浮かび上げながら糸を渡していく織り方で、しかも、糸の色の濃度を考えながらボカシを入れているものです。
なので、多くある西陣織の御召と比べると、ひと手間も二手間も加えた着物と言えるでしょう。
これが曽根武勇氏が世に送り出す、織物のフォーマル着なんですよ。
お茶席や様々な式典にも着れて、帯の合わせ方ではおしゃれ着にもなる、味のある着物と言えるでしょう。
一方、こちらも曽根氏の作品で、カジュアルな雰囲気が漂う西陣御召になります。
色合いや柄の取り方で趣がガラッと変わりますが、織物で作られたおしゃれ着の一品です。
ここでは、紬地に辻が花を絞り染めした帯で大人の魅力を演出させていただきましたが、とっても素敵でしょう。
きもの通の雰囲気が表現させているかと思っておりますが、モダン派の方には心惹かれるものがあるのではないでしょうか?
せっかくなので、帯〆帯揚げの色を入れて踏み込んだおしゃれをコーディネートしてみましょう。
好みが別れるかもしれませんが、あえて、エメラルドグリーンの帯〆と少し濁った帯揚げで装いを整えてみました。
渋いですが、それが返って魅力的で味が出たように思っております。
話題が少し脇道にそれてしまいましたが、御召展ではこのような感じの曽根氏の御召を4月20日(金)~23日(月)の間、店内特設会場にて紹介させていただきます。
あまり見ることが少ない着物かと思っているので、是非とも足を運んでいただいて、私の言葉では伝えきれない御召の魅力をご自身の目で触れてみて下さい。
ところで明日は、お客様と着物で花見をしてまいります。
ここしばらくの雨風で桜も葉桜になっている感じですが、兼六園をガイドさん付で優雅に散歩して、美味しい食事を取りながら語らい、つかの間の春のひと時を満喫できればと考えているところです。
総勢8人で向う予定でいましたが、夕方に参加できなくなったとの連絡が入ったお客様がお一人いて、7人で行ってまいります。
明日はお天気が回復するみたいで、まずはひと安心かな・・・
それではこれにて・・
お休みなさい、