浴衣商戦が始まると競合店がどのようなゆかたを採り上げているのかを知っておく必要があります。
それを確認できるのが近隣に立ち並ぶショッピングセンターで、今日も外回りをしている際に、或るショッピングセンターの売り場を覗いてみました。
そこにはテナントとして入っている呉服店と夏の期間だけ浴衣を採り上げている量販店があり、それぞれが違った切り口で浴衣を提案していますが、当店の品揃えや価格帯とはまったく違うものです。
ショップの色分けはハッキリしていて、量販店においては、ゆかた・帯・下駄の3点をセットにして、ラックに吊るし安価なお値段を”売り”にしていますが、その売り場には誰も専属スタップがおりません。
平日ということでセルフにしているのかもしれませんが、着物初心者に優しい売り場とは言いにくいものがあります。
それでも販売する点数が多いと聞かされているもので、どうして数が売れるのかが不思議でなりません。
ゆかたのお顔映りやコーディネートよりも、買いやすい価格帯が優先される消費者心理が働くのでしょうか?
私には良く分かりません。
昨日のことですが、浴衣の仕立て直しができないかとの相談が電話で入りましてね~
お話を聞かせていただくと、仕立て上がった浴衣を買ったのでが寸法が大きくて着にくいとのことでした。
ご身長をお尋ねすると150㎝とのことで、浴衣の身丈が12~14㎝くらい長いのではないかと想像されます。
おそらく裄(背縫いから手首の長さ)も長いと考えられたもので、お直し方法を説明し、お直しにかかるおおよそのコストを伝えると、相談者が考えていたお直し代との違いに驚くものがあったのでしょう。
検討させて欲しいとのことで、相談者から浴衣が持ち込まれることはありませんでした。
私が何を言いたいかと申しますと、昨日のブログでも書きましたが、ゆかたであっても着物に詳しいスタップがいないショップでの買い物には危険が潜んでいるということです。
今日立ち寄ったセルフショップ化した量販店の売り場には、アルバイト募集のポップが掲げられていました。
夏場だけゆかた売場に立つアルバイトで時給も表示されていましたが、そのようなアルバイト募集のポップを見せられると、売り手側の事情のあるのでしょうが、業界心としてゆかたを採り上げて欲しくないと思った次第です。
少し言い過ぎたかもしれませんが、そのようなゆかたショップと戦わなくてはなりません。
客層が違うといえばそれまでですが、多くの人がゆかたを着ることに憧れがあるとしたら、本家である呉服店はもっともっと頑張らなくてはならないのではないでしょうか?
異業種にゆかたファンを吸い取られていると思うと、とても悔しいです。
気持を切り替えて、今日は”はんなり”とした白地の浴衣を紹介したいと思います。
採り上げたのは三勝さんから出されている萩とホタル柄の浴衣で、その浴衣地に墨色をぼかした様に織られた博多帯の紗織半巾帯でコーディネートしてみました。
涼しい風が萩を揺らしているかのようで、日本の夏を感じていただけるのではないでしょうか?
この白地の浴衣には墨入りのストライブが織りこまれていて、小粋さも感じられるものです。
素敵でしょ・・・
趣を変えてワイン系の花織のように織られた紗織半巾帯でも合わせてみました。
年代層や浴衣の持ち味が変わるのかもしれませんが、白地浴衣の魅力を引き出してみたつもりです。
流行に左右されずに長くお召しになっていただけることでしょう。
どうかものような浴衣をご自身の体型に合わせてお仕立てをされてみて下さい。
必ずや心地よい夏が貴女を迎え入れてくれると思いますよ・・・
言葉足らずのところがあるかもしれませんが参考にされてみて下さい。
それではこれにて・・・
お休みなさい。