私の店は着物や和雑貨などの和物商品を販売している小売業で、単に商品を販売するだけでなく見立てというものが重要だと考えております。
特に着物となると着るまでに必要とするものが多くあり、組み合わせ方で俳優さんのような小粋な着姿にもなれば、街で見かけるような一般的な着こなし方になることもあります。
それはお客様が何を望んでいらっしゃるかで組み立て方も変わるものです。
長年この仕事をしていると、その人が持っていらっしゃる雰囲気で、どのような品や色合いが似合うかが分かるようになり、持っていらっしゃる着物や帯にどんな小物を合わせたら装いが輝きを見せるのかも判断が付きます。
しかしその判断はお客様がされることで、ご予算もあれば、仮にお客様が好まれるコーディネートがあったとして、装いのバランスにズレがあるように思えれば、何で微調整を図ったらいいかをアドバイスさせていただくのも私の仕事かと思っております。
その意味でも着物に対する価値観が合う店で見立てを相談されることが大切です。
それは取り扱う商品も見立て方も違うからです。
着物を知らない人が増えていく中で、販売する側はコーディネーターの役割が必要とされていて、その役割を果たしていない先は危険が伴うことを頭に留めておいてください。
前文が長くなってしましましたが、今日は撫松庵というメーカーの単衣の着物としても着ていただけるプレタ浴衣をコーディネートしてみました。
古典柄の浴衣とは一味も二味も違うものですが、新しい感覚でオシャレが楽しめる装いかと思っています。
どうかお楽しみください。
この画像が私が街着としてトータルコーディネートしたものです。
好みもあるでしょうが、オシャレな香りを漂わせていると思われませんか?
着物はセオ・アルファという新合繊の生地で染められたもので、素材に清涼感がありご自宅で洗えるものです。
模様はダイヤ柄とでもいいましょうか、濃紺と緑系の色で組み立てられた幾何学模様になります。
仕立て上がった着物で、身長が163㎝の方が着られるととょうどいい長さで、160㎝~165㎝くらいの適応身長だとお考え下さい。(その適応身長から離れるにしたがって着にくくなります。)
本体価格が¥35,000とリーズナブルお値段で、オシャレを楽しんでいただける街着かと思いますが、浴衣としも着ていただけるものです。
それでは一つ一つ合わせた小物を紹介してみましょう。
着物として着るのなら夏の長襦袢が必要で、その際の半衿をレースで合わせてみました。
半衿を多めに出すとおしゃれ感が増すのではないでしょうか?
合わせた帯はリバーシブルの細帯(半巾帯)で素材はポリエステルになります。
お好きな面を表にして使っていただけますが、濃紺と白のボーダーが入っている面がスッキリして爽やかな感じが致します。
そして大人に雰囲気を添えたくて、腹の部分に合わせたのがこの帯留めです。
白っぽい彫り物のように見えますが、この角度から見えないところにおしゃれが潜んでいましてね~
この画像は上から見下ろいしたもので、アンティーク調の飾りが付いているんですね~
意外性があって面白いでしょう。
その帯留に通した三分締めの紫の色も感じがいいでしょう。
合わせたバッグは初夏を感じさせられる籠になっていて、洋装にもお持ちいただける品であわせてみました。
これくらいの大きさがあると、お出かけされるのに必要とされる持ち物がひとまとめにして納めることができるかと思います。
そして足元は鼻緒の色合いがおしゃれな草履下駄に白のレース足袋を合わせてみました。
レース足袋はストレッチになっていて、22㎝~25㎝まで対応できるものです。
最後にこのかんざしでコーディネートを整えたならオシャレが完成です。
詫び寂とはかけ離れた距離のコーディネートになりましたが、お楽しみいただけたでしょうか?
最後のこの着物コーディネートがいくらになったのかを計算してみました。
ここに長襦袢が含まれていませんが総額で¥89,000(本体価格)のコーディネートとなりました。
高いか安いかは興味がある無しで捉え方が変わるのでしょうが、人と違ったおしゃれが買えると考えたら、決してお高いものではないように思えるのですが・・・
最後にひと言!
「疲れました。」
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。