お客様の出入りが多くあった一日で、閉店近くなると何故かホットさせられるのはどうしてでしょう。
一人になって残された時間を自分のペースで仕事ができるからかもしれませんが、展示会前だけ何かと気ぜわしくしているこの頃です。
店頭には神無月の会で特集を組む「大島紬展」の看板が出されました。
これを見て気が引き締まる思いでいますが、少しだけ大島紬展の話題に触れてみたいと思います。
今回は織物の協賛をいただいて本場大島紬を100点近く揃えてさせていただきますが、一言でその作り方を語り尽せるものではないために、産元に担当者にお越しいただいて大島紬にまつわる”よもやま話”をしていただこうかと考えております。
特に西郷隆盛と奄美大島との関係性が深いだけに、大島紬の歴史も含め本場大島紬がどのような品であるかをご理解いただける機会になればと思っているところです。
大島紬展は10月19日(金)~22日(月)までの4日間となりますが、担当者の都合で”よもやま話”は19日(金)・20日(土)の2日間とさせていただきます。
お値段は縞や格子柄で本体価格16万円というのが最もお手頃感のある大島紬で、白大島、泥大島、藍泥大島、色大島、古代大島など、目に触れることの少ない大島紬が紹介できそうです。
加えて、趣味性の高い帯とのコーディネートにもこだわってみたいと思っています。
今日はその帯の中から、日本工芸会正会員の湯本エリ子氏が染めた作品を紹介させていただきます。
数日前に染め上がってきた帯で、松をモチーフした作品になります。
湯本さんの描く松の図案が豊かで面白味があると思われませんか?
上の部分が腹に出る模様で、松を大きく図案化された個所がお太鼓となるものです。
白っぽい着物に合わせることもできれば、濃度の濃い泥大島紬などにも違和感なく合わせられる帯だと思っていますが、松の柄を意識したなら、お正月の着こなしともなる帯地ではないかと考えています。
こちらの帯を濃い地の藍泥大島紬に合わせた画像を撮り込んでみたのでご覧ください。
そのコーディネートがこちらになります。
シンプルな組合せかと思いますが、大島紬の絣柄に合わせて染められたオーダーメイド品のようで、湯本さんの帯が一段と映えて見えるのではないでしょうか?
腹にはこのような柄が出てまいりますが、帯〆と帯揚げの色を加えると、装いに動きが出てきて とても素敵でしょう。
着物を知る尽くした着こなし方になったと思いませんか?
カジュアル着なのに品の良さがあって、一人で自画自賛しています。
この場では湯本さんの作品を大島紬に合わせていますが、色無地や江戸小紋に合わせても感じのいい装いになることでしょう。
神無月の会では、大島紬だけでなく帯や帯〆帯揚げのコーディネートにもこだわってみたいと思っているところです。
マニアックな提案の会になるかもしれませんが、他店とは違った面白さを見つけ出していただけるのではないかな~
開催まで残り少なくなり慌てておりますが、老体にムチ打って楽しい会を開けるまでに仕上げられたらと考えているところです。
ではこれにて・・・
お休みなさい。