今日から10連休というのに、この寒さ、半端じゃありません。
野外でイベントを組んでいた先は、辛いものがあったかもしれませんね。
それでもお休みの方は、何処かにお出かけされていたのではないかと思いますが、私の店が皆さんの生活の中に入ってこないことが悲しいです。
お客様はわずか数件で、大型連休に弱い店であることに心を痛めております
ところで平成の時代が残すところ3日となりましたが、貴方にとって平成はどんな時代でしたか?
苦難の時代、平凡な時代、幸せな時代、輝く時代。
平成の30年近い年月を単純に4つの枠に当てはまることはできませんが、現在の仕事を振り返るならば苦難の30年と言えるのかもしれません。
私がこの店を創業したのは昭和60年の7月です。
店もなければ、お金も商品も営業車もない状態で、「きものふくしま」を創業した訳ですが、何もかもが初めての体験で期待と不安が入り乱れた中での船出でした。
それはもう必死でした。
そんな私を支えてくれていたのが、当時勤めていて呉服店さんのお客様で、私を応援してくれていた地元の仕入れ先でした。
そして忘れてならないのが、私を信じてついて来てくれた妻の存在で、いろんな場面で勇気をもらっていた気がします。
私が無店舗で商売することにも理解を持ってくれていて、彼女の笑顔にどれだけ助けられたことか・・・
日本経済はバブル期を迎えていたときでもあり、試行錯誤しながら生き延びることができましたが、その後3年余りで昭和から平成の時代に変わり、商売も少しずつ軌道に乗り始めていたときにバブル崩壊です。
そのシワ寄せは当時の売り上げの数字が物語っていて、年々業績が悪化していき万策尽きたという心境でお客様廻りをしていたときだったように思います。
ジリ貧になっていく経営が続き、自信を失っていくことが自分でも分かり、リセットを図る意味で新しく出直す覚悟を決めて、創業から10年目にして無店舗から現在の店舗を持つことを決めたのです。
当然そこんは大きなお金が必要とされていて、それからというものは、妻と二人三脚で店を切り盛りしながら新しいお客様を増やしていくことに必死でした。
仕入れ先も増え、私が目指したいと思っていた着物と和雑貨の店へと変わり始めてからは、少しづつですが明るい未来が見え始めてきたのです。
それでも経営が安定するというものではなく、いろんなことに取り組みながら店のファンを増やして来たように思います。
それは妻の負担を増やすことにもなっていて、いつしか治らぬ病を呼び込んでいたのです。
或るとき、妻の死の宣告を受けることとなり、その日から、何もかもが逆回転し始めて恐怖に怯える日々のなかで未来を視ることとなったのです。
それはもう、辛くて何も考えられない時間だったかもしれません。
そして儚く散った命は、すべてを失った喪失感に襲われるものがあり、自分人生も店も無くなるのではないかと、灯りの見えないトンネルの中を彷徨っていた日々でした。
そんな状態から救ってくれたのが店のお客様で、どれだけ勇気づけられる言葉をいただいたことか・・・
仕入先からも一緒に頑張ろうと言ってくれて、再び立ち上がることができたのは店のお客様と仕入れ先のご支援があったからです。
今があるのは、まさしくお客様と仕入れ先のお蔭だと言っても過言ではありません。
忌わしい出来事から11年の月日が過ぎましたが、妻の病気が分かる少し前から新しい販路を探して使い慣れないパソコンでブログを始めていましてね~
その手ごたえが見え始めたのが奇しくも妻の病気が分かったときでした。
ネットからのご注文が県外から入り始めて、そのことが切っ掛けでネット戦略に知恵を絞りながら新しい店作りを夢見て今に至っている気がします。
こうして平成の時代を振り返ると、店が成長しているように見えて経営の面では何も変わっていなくて、労を使って店を守って来たように思えてなりません。
とにかく何かに挑戦して踏み出しては再び戻されるという繰り返しで、苦難の30年だったように思います。
そして「令和」の時代を前にして、共に戦って来た仕入れ先や担当者が次々と業界から姿を消していって、以前に増して厳しい時代が訪れていることを知らされています。
私にとって平成の時代は、自分の心を逞しく育ててくれた30年と言えるかもしれません。
平成の時代に私より大物になった人物や会社もあれば、消えて行った同業者もいて、その生き方の価値は何で評価されるべきなのでしょう。
今日から5月号の「あ・うん」を作り始めたのですが、紙面に載せるネタを探していると、偶然にも武者小路実篤さんの言葉を目にしましてね~
そこには、このようなことが書いてありました。
才能で負けるのはまだいい訳が立つ、
しかし誠実さや、勉強、熱心、精神力で負けるのは人間とし恥のように思う。
他で負けても、せまて誠実さと、精神力では負けたくないと思う。
いろんなことが身の回りに起きても、見た目の勝ち負けよりも内面の強さと向上心に価値があることを伝えているのではないかと解釈しています。
令和に込められた願いは、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められているそうです。
私たちは新しい時代に期待を寄せるものがありますが、すべては自分で幸せを手にするものです。
自分を鍛えてくれた平成に感謝をしつつも、新たな時代に挑戦することを忘れないようにして残された人生を燃え尽きるまで頑張らないといけませんね。
そんな訳で、今日はこの木目込み人形のカエルにあやかり、平成を振りカエル時間を作ってみました。
随分長い文になってしまって、最後までお付き合いをいただけたとしたら感謝です。
ではこれにて・・・
お休みなさい。