私がこの店を創業した頃に比べると、着物を知らない人が随分増えていまして、40代、50代の女性の方からの着物相談がとても増えております。
着物のシミ抜きやカビ取りであったり、着物の縫い直しの相談も増えていまして、よくある相談では、お母さんが着た振袖を娘に着せたいので寸法直しができないかとか、帯〆帯揚げなどの小物を替えたいという相談もその一つです。
中にはタンスにある着物を整理するにあたり、何を残したらいいかが分からないからと、着物や帯が入った引き出しをそのまま車に積んで持ってくる方や、知人からいただいた着物が自分の寸法に合ったいるかを見て欲しいとか、とにかくいろんな方が着物相談にお越しになられます。
その多くが新規客であったり、店との繋がりが薄い方で、コミュニケーションが取れていないこともあり、とても気を遣います。
そして今日も着物相談をいただくことに・・・
親が体調が良くないので喪服の状態を見て欲しいと、喪服が入ったタンスの引き出しを持ってお越しになられたお客様がいました。
嫁入りしたときとは体型が変わったのか、身幅が狭く当たる点や冬用の喪服が少し縮みがあり、長襦袢に至っては夏冬共に黄色くなり始めているなど、気にかかるところが幾つかあるものでした。
長襦袢の衿はカビが出ていて取り替えが必要ですが、他はお客様の着物に対する価値観で承る仕事は変わってくるので、応急処置の場合と綺麗にお直しを加えた場合のコストの違いと要する時間もお伝えしなければなりません。
今日のお客様は聞く耳を持ってくれたので説明がスムーズにできましたが、中にはお直しの金額に驚く人もいまして、そうなるとお客様との歯車が合わなくなるんですね~
今回はそんなことがなくて、お客様は着物と長襦袢の縫い直しを選択されましたが、着物に詳しくない新規のお客様は、一つ一つ説明を加えなくてはならずとても時間がかります。
でも、これが私たちの仕事なのでしょう。
呉服店が少なくなり、縁の下の力持ち的な役割を果たしていくことが必要とされていて、お客様の困りごと相談に乗ることで信頼の樹木が育つ機会になると考えている私です。
地味な話から始まってしまいましたが、楽しい話題も必要かと思って夏も和装小物を映像にしてみました。
それが、ここにある夏の帯締めと帯揚げです。
色合いが爽やかで綺麗でしょう・・・
たかが帯締め帯揚げといいたいところでしょうが、帯締めの房の色に変化があったり、帯揚げに星の思えるような絞りが入っていて、楽しい気持ちにさせられるでしょう。
他に新しいタイプの草履も用意してみました。
これまで店に無かったポリエステ素材で、草履台のバームクーヘンように見え箇所はEVAゴムという強度のある新素材を使ったものです。
この草履の照り感が涼しさを呼び寄せていて、夏草履として履いていも違和感がないと思っています。
お値段はM寸で本体価格¥23,000、L寸で¥25,000で販売できないかと考えているところです。
画像よりの生が綺麗かと思っているので、店内でご覧いただけたら心も弾むことでしょう。
では今日はこれにて・・・
お休みなさい。