長年お付き合いのある着物愛好家のお宅に立ち寄ってみると、お客様は私にこんな話をされるのです。
今回のコロナ禍で和ダンスを開けることもなければ、お友達ときもの談議もしなくなり、いつしか着物が私の生活の中から消えてしまった。
可笑しなことになるものだと、きもの熱が冷めたことを打ち明かられましてね~
全国にこのような人が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
着物需要が落ち込む中で、コロナ禍で着物愛好家が着物から離れていくことは死活問題と言えます。
そんなお客様の声に私たちはどのように対応したらいいのでしょう。
起きている現象を例えて言えば、怪我や病気で寝たっきりのベッド生活をしていると、筋肉が衰えて歩行が難しくなっていることと似ているのかもしれません。
医療の場合はリハビリを終えて社会復帰することが必要とされますが、この理屈をきもの熱が冷めたお客様に当てはめるとしたら、きもの熱を戻すためのリハビリが必要とされるのではないでしょうか?
お節介なのかもしれないが、そのリハビリに役立つ仕事を私たちきもの専門店が担っていると言えるのかもしれません。
では、この理屈を私たちきもの専門店に当てはめてみましょう。
長引くコロナ禍で、経営のバネとなる心の筋肉が働かなくなっていて、「心の感染者」になっています。
そう、凝り固まった心をほぐすリハビリが必要なんですね~
お客様と交わした数分の会話から溢れ出る口説きに、私が心の感染者になっていることに気づかされています。
「しっかりしろよ店主さん!」
秋本番は今からこれから・・・
きもの難民が溢れていることを強みに変えられる店にするんだ。
何をどうしたらいいのだろ・・・
考えろ!
考えろ!
リハビリになるのかどうか分からないが、多くの人に着物の魅力を伝えることは、きものに目覚めるきっかけとなると考えています。
例えばこちらの可愛い赤い小紋柄や白地に絞りと友禅の被布コートが存在していることを知らない人が沢山いて、この画像を目にすることで、このような着こなしを孫にさせたいと、心を動かされるお婆ちゃんがいるかもしれません。
振り向く人がいなくても、店側が魅力を語ることは心のリハビリにもなり前を向くことができます。
ここに見えない力が働き心を丈夫にするのではないでしょうか?
夕方に京都の仕入れ先から9月の月商の展示会を見送るとの電話が入りました。
これまでと違うコロナ禍社会は経営を脅かすものになっていますが,志を高く持って心のリハビリに励む業界人になりたいです。
そしてこの店にしかできないことが必ず見えてくると信じたいです。
楽しい話題で終わらすことができませんでしたが、今日はこれにて・・・
お休みなさい。