静かに過ぎていった新年二日目の初売りとなりました。
毎年師走のお客様の入りとの違いを見せつけられていますが、これが現実なのかもしれません。
冬場の店作りをどう替えたらいいのか。
この店の大きな課題になっておりますが、数ヶ月後にはお子さんの卒業式や入学式が控えていまして、毎年、式典に出席されるお母さんの着物姿を見ると、地域の呉服店として何か役立つことができるのではないかと考えています。
そこで真っ先に思いつくのが、入卒の式典に臨めれるお母さの多くが着物初心者で、アドバイザーという立場で着物の装い相談を受けることができないものかと考えていますが、呉服店となれば商品の販売に結びつく意識が高く、この壁をどう打ち破るかが課題となっています。
店としては、お持ちになっている着物の寸法直しやシミ落とし、シワ取りから入っていけないかと考えていますが、その伝え方の一つにSNSの活用を考えているところです。
一方で、着物のTPOを伝えていくことも店の役割かと思っていて、そこで今日はハレの日のフォーマル着について記事を書いてみたいと思います。
時代に移り変わりと共に、昨今の呉服店さんが取り上げるフォーマル着といえば、訪問着に袋帯という考え方が主流になっていますが、入卒用のフォーマル着となれば訪問着に限定されるものではありません。
付下げという着物もあれば、昭和の時代には、色無地がフォーマル着として最も一般的な着物だったんですね~
当時は色無地に黒の絵羽織の組み合わせが、入卒用の着物として親しまれていて、訪問着は極めて少なかったように記憶しています。
それは昭和50年前後の着こなしでした。
それがいつしか羽織を着装しない”帯出し”の装いとなり、昨今では色無地を活用される方も少なくなりつつあるのが現状です。
色無地とは模様が何も入っていない黒以外の色で染めた着物のことで、背縫い(背中)に家紋を一つ入れて着物の格を高めるという着こなしを私たち業界人は推奨してまいりました。
今でもその着こなしは正統派のフォーマル着とされています。
そこで今日は色無地で入学式の式典に臨む着こなしをコーディネートしてみました。
その着こなしを演出してくれるのは、桜の柄を総刺繍した名古屋帯です。
入学式と言えば、その時期の春の花は桜と結びつくところがあり、色無地と合わせるとシックリ来るんですね~
ましてや総刺繍ともなればゴージャスさと品の高さが際だっていて、センスの良さが伝わってまいります。
その銀ネズ地の桜柄の帯をレモン色の色無地に乗せてみました。
着物に柄がないだけに桜柄がくっきり浮かび上がって綺麗だと思いませんか?
合わせた草履台も帯の地色に合わせ、鼻緒は目出度い松葉柄を刺繍した品で合わせてみました。
素敵でしょう・・・。
次は着物と帯を繋ぐ帯締めと帯揚げを加えてみました。
着物と帯の色のコーディネートから桜色の帯締めを持ってくるのが一般的かと考えますが、大人の女性の魅力を引き出したくて、ヒワ系の片側をぼかした帯締め合わせ、帯揚げにピンクを持ってきて、フォーマル着の装いを整えてみました。
エレガンスな装いとなったと思いません・・・
この装いで入学式を迎えられたら、誰もが振り向くのではないでしょうか?
「素敵!」という声が聞こえて来そうです。
そこで気になるのは合わせた総刺繍の桜柄のお値段ではないでしょうか?
帯芯を加えたお仕立て上がり価格は、税込み¥264,000となる品です。
参考にされてください。
このような感じで色無地を活かした着こなし方ができたら、色無地の価値も上がることでしょう。
これからしばらく、着物コーディネート相談も受け付けたいと考えているので、いつでも気軽に相談をいただけたら嬉しく思います。
それではこれにて・・・
お休みなさい。