着物にはいろんな種類がありますが、着物を熟知していらっしゃる方はご自身の着物への美学をお持ちでいらっしゃいます。
古典柄が好みであるとか、花柄でない着物でお洒落を楽しみたいと思っている方もいて、お客様の着物への価値観を見極めてお見立てをさせていただくのが私の仕事かと思っております。
そうした中でお洒落の提案をさせていただくのが呉服店の役割で、着物愛好家は好みに合った店を選択されているのではないでしょうか。
きもの専門店を目指すのであれば、見立てのセンスはとても重要で、数多くある呉服店との差別化を図っていくうえで大切にしたいポイントかと考えています。
特にこの店が心がけていることは、トータルコーディネートの色の組み合わせと、季節と遊ぶ着こなし方にこだわりを持っていて、装いの美しさをどのようにして組み立てていくかが、この店の強み変わるものだと考えています。
そんな夢物語を心に秘めて仕事と向き合っていますが現実は甘くありません。
しかし諦めずにいられるのは、お客様から認めていただいたときの感激を味わったことがあるから、もう一度味わってみたいという気持ちが消えないのでしょう。
それがこの仕事を好きにしてくれているのかもしれません。
今日は訪れる季節と遊ぶお洒落な帯を手にすることができたので、或お客様に紹介させていただきたくて記事にさせていただきました。
それはお雛様の染帯です。
ご一緒にお楽しみください。
淡い紫地の小紋に合わせた立雛の塩瀬帯になります。
心地よい春の香りが漂っていて、見る人の心を奪うおしゃれ感があるのではないでしょうか?
上巳(じょうし)の節句は年に一度のこと。
この着こなしができるのはわずかな期間だけにおしゃれが際立つ着こなしと言えるでしょう。
しかしひな祭りは毎年訪れるだけに、着物愛好家の取っては見逃せない染帯ではないかと考えています。
お雛様の帯の中でも奇麗な仕上がりとなっていまして、手仕事だから心に響くのではないでしょうか?
腹の柄も素敵なんですね~
腹は貝合わせの柄になっていて、太鼓柄と異なっているところにも魅力を感じています。
帯〆と帯揚げを着物に使っていない色合いでまとめてみました。
色合いのハーモニーがとっても優しくて、きもの美人にしてくれることでしょう。
もう一点は、この帯とは対照的な茄子紺の染帯になります。
シックな色合いですが、桃の節句を匂わすひし餅に橘と桜柄の塩瀬帯です。
見た感じは春物の帯で、閉めていただける期間は立雛の帯取りも長いかもしれませんね。
帯の画像を大きくしたものですが帯地が深い色だけに個性的な着こなしとなるのではないでしょうか。
ことらも腹の柄は貝合わせになっていまして、帯〆の色を鶸(ヒワ)色に替えてコーディネートさせていただきました。
切れ味のよい着こなし方で上級者の装いと言えるかもしれません。
かつてはお雛さんの帯が多くありましたが、コロナ禍となってからは染める先が少なくなっていまして、このようなクオリティーの高い帯は他にないと言っても過言ではありません。
着物のお洒落に仕方にもいろいろありますが、訪れる季節を身に付けるという着こなしこそが上級者のおしゃれと言えるのかもしれませんね。
お電話を入れさせていただくかもしれませんが検討されてみてください。
では今日はこれにて・・・
お休みなさい。