コロナ禍に慣れ始めたところがあるのか、冠婚葬祭に着物を着物を着ようとする人が増えていまして、そのことに伴い、着物のシミ抜きや寸法直し、半衿の取り付けなど、駆け込み相談が毎日のようにあります。
今日もお客様が黒留袖を持って着物の状態を見て欲しいとの相談。
娘から連絡が入って店に戻ると、9月23日の結婚式に着るために式場に持って行くと、汚れがあると言われて相談にお越しになったそうです。
拝見させていただくと、白っぽい斑点が黒地の箇所(表地と裏地)や、模様の部分にも出ていましてお召になれる状態ではありません。
その斑点は後ろ身頃だけでなく、上前や袖にもありましてね~
上前の裾にも・・・
右袖の振りにも・・・
お召になるのは一週間後の23日秋分の日。
カビ取りのお直しをするとなれば、最低でも一週間以上かかるもので、明日から三連休となればお直しをされる職人さんもお休みで、お客様のご要望にお応えできるものではありません。
そのような点から、間に合わないことを伝えると、「このまま着てみる!」との返事に、シミが目に付く黒留袖で結婚式を迎えるなんて私には考えられません。
そんな想いでいるのなら、なんとかして差し上げなくてはなりません。
着物のシミ抜きやカビ取り、着物や長襦袢の丸洗いを専門に請け負う会社の人が週に一度、京都から車で仕事を取りに来ていまして、毎週 沢山の着物や長襦袢などのお手入れをお願いしています。
その担当者に一肌脱いで欲しいことを伝え、連休明けの20日午前中に黒留袖を届けるので、翌日の運送便で22日の届けてもらえないだろうか。
カビ取りは黒留袖を着ていて目に付く箇所だけでいいから、(模様や裏地のカビは触らなくていい)なんとして間に合わせて欲しいことを電話で伝えると、ベストを尽くしてみるとの返事をいただくことができたんですね~
お客様には結婚式前日の午前中にお直しを終えた黒留袖が届くので、その脚で式場へ持って行ったら間に合うのかを確認すると、ゴーサインをいただけたので、気になる箇所にシールを貼って送らせていただくこととしました。
このような感じでシールが付けられましたが、他にも結婚式を迎えられる花嫁のお母さんが、草履が劣化していて履ける状態ではないとの駆け込み相談があったり、昨日は祖父の病気が悪化し月末くらいに喪服を着ることになるかもしてないと、畳みシワのきつい夏と冬の喪服を持って相談にお越しになられたりして、着物のお直しの相談が驚くほど増えています。
そこで皆さんにお伝えしたいことは、
❶ 着物を着終えたら長襦袢と着物の汗取りにもなる丸洗いを済ませてからお片付けください。
❷ 着物をお召になる際は、着物にカビが出ていないか、長襦袢に半衿が付いているか、または汚れていないか、きつい畳みシワがないかの確認を済ませておいてください。
何か問題点が見つかった場合は、ただちにお直しを受けてくださる先に持ち込んで相談されてください。
体型が変わった方は、着物寸法がご自身の体格に合っているかの確認も必要かと思います。
❸ 帯〆帯揚げが着物コーディネートに合っているかの確認があってもいいかと思います。そして草履やバッグの劣化が始まっていないかの確認も必要です。
❹ コーディネートも含めてご自身で判断できないことがあれば、地元の安心できる呉服店さんで相談されることがあってもいいかと思います。
親切な呉服店さんが少なくなっているだけに、先に電話を入れてみて、その対応の仕方で相談される店を選んでみてください。
ということで今日に記事とさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい