十ヶ月振りに店に顔を覗かせた京都の仕入先が来ていましてね~
個人経営者でもありますが、コロナで大きな騒ぎになる直前に肺を患って、県外の移動控えていたようですが、久しぶりに話を聞いてみると、お得意様(呉服店)の多くがコロナ禍で打撃を受けていて、店主の高齢化などもあり、動きが止まっている話をしていました。
私も元気のいい同業者が少なくなっていることを感じていて、午前中に地元の仕入先に用事があってお邪魔して来たのですが、同業者と顔を合せることもなく、材料費の高騰からなんでもかんでもが値上がりしていて、私たちの業界はどうなっていくのかと心配な気持ちにさせられます。
日本の着物文化をどのようにして守って行ったらいいのか分からなくなりますが、たまたまお邪魔していた仕入先で、ワイン柄の染帯を描いてくださった女流作家さんとお会いしましてね~
近く私が小学校で加賀友禅の話をしなければならないこともあり、その作家さんに業界に臨むことは何なのかを尋ねてみると、加賀友禅の業界に若い人が入ってこないと活性化が図れないし、加賀友禅を作る側として、きものを着る人の声を聞いて、そのご要望に添うきものを描いてみたい。
とても前向きな女流作家さんで、昭和の時代に加賀友禅が庶民の間で広がった、誂え友禅のスタイルを臨まれている感じでした。
私たち業界関係者は、このまま何もしないでいたら着物業界が廃れていくことに気づいていて、しかし一人では何も出来ないという歯がゆさの中で仕事に関わっています。
私は小学4年生の生徒の前で夢のある話が出来ればと思っていますが、どうまとめたらいいのか迷っています。
これは加賀友禅らしい草花模様の訪問着になります。
金沢の伝統色となる加賀五彩の話もしなければなりません。
加賀五彩とは、藍色(あいいろ)、臙脂色(えんじいろ)、黄土色(おうどいろ)、草色(くさいろ)、古代紫色(こだいむらさきいろ)のことを言いますが、時代と共に好めれる色も変化していて、昭和の加賀友禅色彩とは異なります。
どちらかと言えば、甘く綺麗な色のパステルカラーが好まれる時代になっているのかもしれません。
加賀友禅ならではの「虫食い」は作品の中に活かされていて、木の葉の虫食いに加賀友禅の価値を生むとされています。
そしてお花のグラデーションを多用していますが、これも加賀友禅の特徴一つで外が濃く内側に向かい少しずつ薄くなっている「外ぼかし」という表現法です。
これらの加賀友禅特有の描き方も話したいと思っていますが、これからどのようにして加賀友禅ファンを増やして行くかが最も大切な事かと考えています。
ここに伝統を伝えるという意味を含んでいて、私たち業界の自己満足で止まっていてはいけないと思っています。
何を伝えるべきなのか、どのようにしてまとめたらいいのか、悩ましいところですが、自分の言葉で話してみたいと思っている私です。
私の迷いが、まとまらない記事になってしまってゴメンナサイ。
では今日はこれにて・・・
お休みなさい。