円相(えんそう)の柄と浴衣の近況報告

 

20日を過ぎると、京都の仕入れ先が次から次へと尋ねて来ます。

私は、その度ごとに業界の近況を担当者から聞くのですが、あまり良い話をする人がいません。

 

暑さが増す夏場を前にして苦戦しているようですが、この状況は日本経済の閉塞感も影響しているようです。

 

世の中、もっと明るくならないかな~

チョッとモチベーションが下がってしまいましたが、いつもの気持ちに戻し今日の投稿です。

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写真は色無地と、その着物に合わせた円を描いた模様の染め帯です。

このような柄を目にした事があるかと思いますが、なんという柄であるかご存知でしょうか・・・・・

 

私は円相(えんそう)の柄と呼んでいます。

禅のおける書画のひとつで、一円相(いちえんそう)とも円相図(えんそうず)とも呼ぶようです。

 

模様の意味は、・・・・・

記事に書こうと思ってはみたものの、解らないところもあってもので、調べてみました。

 

円相(○)とは、空・風・日・水・地といって、世界を構成している五の要素があります。

この五つの要素を一筆で書くと円になると言われています。

つまり、宇宙全体の姿、世界の究極の形を最も簡略に描くと円になるということだそうです。

 

私なりの解釈になりますが、

自分はこうだ、他人はああだ、というふうに、自分と他人を区別し我(が)を出すと角(かど)が立ち争いになる。

その角をだんだん取り除いていくと、今までなぜ争っていたのか、どうしてあんなに張り合っていたのか、その無意味さがわかってくる。

それが人間が円になる(円満になる)ということで、角を取りなさいという「禅」の教えだそうです。

 

話を帯の柄に戻しますが、とても意味深い「円相」の模様を茶席とか、ご法事の席に、色無地や江戸小紋の合わせてお締めになる着こなし方があります。

 

この着こなし方は、遊びのおしゃれとは違って、人の心を現した着物通のおしゃれの仕方です。

 

業界人でしたら、昔から見慣れた柄ですが、普通の方には柄の意味も用途も知らないのではないかと思いてアップしてみました。

 

古典柄というものは、説明が難しくて、無い頭を使ってしまいました。

どうか参考にして下さい。

 

ところで、この時期になると婦人雑誌に浴衣の特集が出ていたように記憶しているのですが、本屋さんに行ってもそれらしき雑誌が見当たりません。

時期がもう少し後なのか、それとも雑誌社が見送ったのかは私の知る限りではありませんが、メディアによる浴衣の露出度が少ない事を心配しています。

 

浴衣の需要を他力本願で待ち望んでいる訳ではありませんが、話題性はなんといってもマスコミやメディアの力無しでは望めないのが、今の和装業界です。

 

私の店は昨年と比較すると、少しばかり動きが鈍い感じがしています。

 

勝負は後一か月余り、次の一手そろそろ考えないと・・・・・




 

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