淡彩な小紋と桜柄の塩瀬帯で入学式の装い・そしてきもの初心者に優しい店作りを考える

金彩で染めた帯で入学式の装い

【店主の呟き】

 

今日から2023年度の初売りとなりなしたが、お客様の来店が数件で終ってしまって寂しい思いでおります。

行列が出来る店なんで夢のまた夢で、今年もお客様の集客に頭を傷める一年となるのでしょう。

 

そこで考えなくてはならないのが、足を運んでみたくなる店をいかにして作れるかということです。

呉服店が減少しているだけに、きもの難民が増えていると考えれば、店作りのやり方次第で新規のお客様を集めることは可能かと考えています。

 

そこには二通りの店作りの考えか方があるのではないでしょうか?

 

一つはきもの初心者に優しい店であることが重要で、きものを着たいと思っている人がいたとしたら、誰の手を借りないできものが着れる人って一握りのきものファンで、多くに人が、きものを着るためには何が必要で、何が足りないかを判断できる方は少ないと考えています。

 

きものを着る場によって着るきものも異なりますし、合わせる帯や小物も変わります。

その前に、和装肌着が何であるのか、長襦袢はどのような役割を果たすのか、そこに半衿が必要であることも分からないとしたら、きものに詳しい人に確認していただくことから始めなくてはなりません。

 

例えて言えば、ネットに明るくない方がパソコンを使って何かを始めようとした場合、誰の力も借りないで使いこなすのは容易なことではありません。

聞き慣れない単語もたくさんあって、詳しい人に教えてもらわないと、動かせないのではないでしょうか。

 

きものも同じことが言えます。

随分昔のことですが、ある方からメールで、「袷のきものってどんなきものなんでしょうか?」

そんな質問をいただいたことがあります。

 

その方は留袖や振袖などの着物の種類だと思っていたみたいで、「裏地が付いているきもの」を袷のきものと呼んでいて、「裏地が付いていないきもの」を単衣のきものであることをメールで返信したことがありますが、きものとの関わりのない方には、業界に使われている単語がまったく分からないことに気づかされました。

 

そのことを例に取っても、きもの初心者がきものを着るということは、きもの離れが進んでいるだけに容易なことではありません。

 

地域に根付く店としては、そんなきもの初心書の“駆け込み寺”的な役割を果たせないかと考えていて、気軽に相談できる店をどうしたら作れるのかを真剣に考えています。

 

折しも春の訪れとと共に、学校の入学式が毎年執り行なわれます。

特に小学校に入学式には父兄のお母さんがきもので式典を迎えられる方が多くいらっしゃって、店としてはいくらかでもお役にたつことができればと考えていますが、馴染みのない呉服店には近寄りがたい存在になっている感じがして、この溝をどうしたらなくせるかを真剣に考えて、SNSなどで呟かせていただいていますが、きもの初心者の心を動かせない現実に悩まされています。

 

ここを変えられないと地域に根付く呉服店とは言えないのでしょう。

 

そしてもう一つの店作りの在り方は、魅力的な商品とサービスでお客様を引き寄せるという取り組み方です。

どちらかと言えば、中・上級者向けに店作りになりますが、初心者向けの店作りとは使い分けて考えて行かなくてはならないのでしょう。

 

業界の流れとしては、中・上級者向けに店作りに向っている先が多く、きもの初心者が置き去りになっているとしたら、業界の幹はいずれ痩せ衰えると考えなくてはなりません。

 

その意味でもきもの初心者に優しい店を作っていくことが重要かと考えています。

そのことを意識して情報を出していますが、今年も再チャレンジの時が来たようです。

 

 

【小紋と桜柄の塩瀬帯で入学式の装い】

 

 

 

 

金彩で染めた帯で入学式の装い
金彩で染めた帯で入学式の装い

 

こちらのコーディネートは桜の模様の帯で春の訪れを意識した組み合わせとなります。

銀ネズに単調な小紋柄に金彩で染めた桜の塩瀬帯でお母さんの入学式の装いを演出したものです。

 

入学式の式典となれば、訪問着や付下げのなどフォーマルの装いがふさわしいとされていますが、このような小紋柄でも品格があり春らしい装いでもあるので、入学式に対応できる装いかと考えています。

 

店としては綺麗な着こなしであることが大切かと思っていて、この線引きがとても難しくなりますが、小紋での対応でも可笑しくないと思っています。

 

こうした着こなしの在り方もきもの初心者では判断できないところがあるので、近くの呉服店さんで相談されれることをお勧めしたいです。

 

とにかく入学式の装いを一人で考えずに、呉服店さんを頼ってみてください。

 

言葉が足りていないかもしれませんが、いつでも相談に乗りたいと思っているので、私の店でよければ気軽に相談ください。

 

それではこれにて・・・
お休みなさい。