色無地を桜柄染帯で春の花を咲かる・そして袋帯で略礼装に装いに・・・

色無地で春を楽しむ 着物の着こなし/コーディネート

【色無地のお話】

 

私が呉服店に勤め始めた頃の春商戦といえば、色無地に黒絵羽織の装いで卒業式や入学式の装いを提案する先が多く、活気のあるいい時代でした。

 

当時は入卒の式典で羽織を羽織らないという、帯出しの装いはほとんどなくて、名古屋帯で帯結びが出来ない人には、半幅帯で名古屋帯を締めたように見せかけて、羽織を着てしまえば後ろ姿が隠れるというトークで、コーディネートに半幅帯を加えていたことを昨日のように覚えています。

 

振り返ると、色無地と喪服は儀式事に着るきものとして定着していたので、販売しやすい着物でしたが、時代の流れは無情で、いつしか誰もが欲しがる着物ではなくなっていました。

 

冠婚葬祭にきものを着なくなった人が増えていることが、消費に結びつきにくくなっているのでしょう。

しかし色無地は略礼装となるもので、模様が入っている訪問着や付下げと比べたらお値段がリーズナブルで、帯の合わせ方でTPOを変えられるので、とても便利のいい着物かと思ってます。

 

 

 

色無地のきもの

色無地のきもの

 

 

そこで今日は色無地の魅力を引き出してみたいと思います。

色無地は白生地を色が付いた染料で無地染したきもののことを言いますが、色というのは無限にあるので、入学式や七五三、お茶会などの習い事の席などを考えて、着物として着られる色を選択して染められています。

 

また四季の色というものも大切にされていて、春なら「桜色」や「菜の花色」で、夏を迎えることになれば「水色」や「藍色」になるかと思いますが、秋となれば色付く紅葉の時期でもあるので、茶やワイン系の深い色合が季節を演出するものだと考えてます。

 

しかし何枚も色無地を用意することは難しく、多くの人はお顔写りよい色できものを誂えていらっしゃいます。

 

また色無地は合せる帯で装いの表情を変えるので、そこが色無地の面白さかと思っています。

 

 

【色無地に桜柄染帯で春の花を咲かせる】

 

 

 

色無地で春を楽しむ

色無地で春を楽しむ

 

例えばこちらのコーディネートは春を楽しむ組み合わせになります。

 

明るいクリーム地の色無地に桜柄の染帯を合わせて街着の装いとしたもので、温かな日差しが降り注ぐ日にお召になれると、何も模様がない着物に桜が咲いて綺麗だと思うな~

 

そう、何の模様にも染まるのが色無地なんですね~

 

 

【色無地を略礼装の装いに】

 

 

 

色無地で略礼装の装い

色無地で略礼装の装い

 

こちらは色無地を格調高い西陣袋帯で組み合わせバッグがホースヘアとなれば、略礼装の装いとなります。

結婚式の披露宴であったり、お子さんの入学式や七五三参りにも対応でる装いです。

 

色無地は格のある帯を合わせると着物の格が上がるのも色無地の特徴で、色無地は主役となる着物ではないが、TPOに合わせて持ってくる帯や小物で表情を変えるのが、他の着物とまったく異なる点かと思ってます。

 

きもの初心者がフォーマルな場にも着られて、街着の着物にもしたいとお考えでしたら、私は色無地をお勧めさせていただきます。

 

色無地も少し値上がりしましたが、入学式のお母さんの装いにもなるので、興味があればいつでもご相談ください。

 

それではこれにて・・・
お休みなさい。

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