【店主の呟き】
店は物作りに特化した仕入先と取引をさせていただいていますが、珍しく今日は4件の仕入先の担当者が来ていました。
その中の一社に、きものの裏地となる「胴裏や八掛」に「長襦袢」にこだわって物作りをしているメーカーさんが店の来ていましてね~
近況を訪ねてみると、物作りの働き手の現場の高齢化が進んでいることや、廃業した職先も数件あったりして、生産効率が悪くなっているそうです。
加えて材料費や光熱費の高騰や、お取引先の件数が全盛期と比較すると半分になっているそうで、時代の流さに流されるだけの仕事をしていると、いずれ社会から店が消えてしまうのかも・・・。
明るい話題が届くまで、もう少し時間がかかりそうですが、これまでの経験を一度リセットして仕事と向き合うことがあってもいいのかもしれません。
私たちは先人達から“こうすればこうなる”という仕事のやり方を教わってきましたが、それが当てはならない時代になっているとしたら、自らが販売方法を想像し、新しいライフスタイルを伝えていかねばなりません。
私としては「身につけるもの」、「飾るもの」、「使うもの」の美しさの追求かと思っていますが、それ故にプレゼンする側としてはセンスを磨くことが重要かと思っています。
それが少数派の方と共に生きる店作りの在り方で、一つ一つ積み上げて行くことで店の想いが形になっていくのでしょう。
「夢があるから悩みが尽きない!」 ⇒ 「悩みは未来に向って考えるから価値がある」 ⇒ 「粘り強く自分を信じてみよ・・・」
この循環を大事にしたいです。
さて話題を替えて、素敵な色合の加賀友禅訪問着が入荷したので紹介させていただきます。
【空木を描いた加賀友禅訪問着に美しさを感じる】
女流作家さんが描かせた作品ですが、加賀友禅訪問着の地色が洒落ていて素敵だと思いませんか。
模様が空木(ウツギ)を描いていて、他に違う模様が一つもないことに注目したいです。
多くの加賀友禅訪問着は様々な模様が重なり合って描かれていますが、この訪問着のように一つの模様で描ききることって、とても難しい技かと思っています。
模様の入り方がバランスがよくて、枝の伸び方も生き生きしていて、白花も優しさも伝わってまいります。
この訪問着に白地の帯を合わせたら綺麗にまとまるのではないかな~
お子さんの入学式の装いとしてお召になられたら素敵かと思っています。
卒業式も近くなってみていますが、きもので出席される予定の方は、着付けに不足している小物がないか、きものや帯の状態に問題がないか、長襦袢に新しい半衿が付いているかの確認を染ませておいてください。
何か足りない物があったり、きものにシミがあったり半衿が汚れていたりしたら、専門家のいる店で相談されてください。
そして着終わったら、必ずきもののメンテナンスを済ませてからかたづけてください。
この点についても専門家のいる店で相談されることをお勧めします。
今日もまとまりのない記事となってしまいましたが、今日はここまでとさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい。