【店主の呟き】
私がこの仕事に関わった昭和50年代は、お正月に着物を着ようとする人が多くいまして、年末のこの時期になると足袋や羽織り紐などの和装小物を買い求め人で賑わっていましたが、昨今はお正月に着物を来る方が少なくなっていて店は閑古鳥が鳴いています。
当時もこの時期に雪が積もったりして、現在とそんなに気候が変っていないよう思っていまして、変ったのはきもの離れが進んでいることです。
この現実から地域で営む呉服店さんが次から次へと廃業していって、作り手も少なくなっていることを思うと、普通のことをしていては、経営が出来なくなる時代になっていることを業界関係者は自覚しなくてはなりません。
どうしたら新しい風を取込みことが出来るのか?
そしてそれをどんなやり方で周知することが出来るのか?
成功事例が乏しい業界だけに過去の事例は頼りにはなりません。
新しい年に向けて何が出来るのかを真剣に考えなくてはなりませんが、もっと楽しいことを組み立てて店で発表できる場を用意してみたいし、着物で遊べる時間も増やすことが出来たなら多くのお客様に喜んでいただけるのではないかと考えています。
「未来は自らが創り出すもの」それを自分に問いかけてみたいと思っています。
話題を替えて、あと3日で新年が訪れますが、来年の春頃までお子さんの入学式を着物で臨みたいと思っていらっしゃるお母さんに入学式の装い提案が出来ないかと考えています。
毎年このようなことを云ってますが良い結果を残せていないので、これまでと違った切り口を捜してみたいと思っています。
そこで今日は、淡いピンク色の付下げで入学式の装いを作って見たのでご覧ください。
【付下げでお母さんの入学式の装い】
過去にも紹介させていただいてますが、淡い大人ピンクの地色にヒワ色の花菱紋を染めたセミフォーマルの付下げに唐織りの袋帯を合わせ品良くまとめてみました。
春らしい色合で、都会的な香りも引き出されていて、いい感じに纏まっていると思いませんか?
【唐織りの帯回りを帯締め帯揚げに刺繍半衿でコーディネート】
帯回りをヒワ色の帯〆でジュッと締めて、刺繍が入った白茶系の帯揚げ高級感を演出し、その流れを受けて刺繍半衿も加えてハレに日を演出させていただきました。(刺繍半衿はクリアーに見えていないことをお詫びします)
【組紐の草履バッグと菜の花にてんとう虫の加賀染め足袋でコーディネート】
そして組紐から作られたシンプルな草履バッグを合わせて加賀染め足袋の菜の花とてんとう虫の模様が描かれた白足袋で季節を演出させていただきました。(※加賀染め足袋はオンラインショップから注文を受けております)
トータルコーディネートの色合がとてもシンプルで、入学式に相応しい装いかと思っていますが、皆さんはどのように受け止めていただけたでしょうか?
簡単な解説となりましたが、今日の記事とさせていただきます。
では、これにて・・・
お休みなさい。