店にお若い男女二人のお客様。女性は着物姿で初めてお目にすることから、どちらからお越しになられたのかお尋ねすると、なんと、広島県からお越しにだと聞いてビックリ!
聴けばお二人は20代のご夫婦とのことで、奥様が着物愛好家でいらっしゃって、お二人でリサイクルショップや呉服店を覗くことがあるとか・・・
この店のことをネットで知って足を運んでくれたみたいで、突然の県外からの訪問者に感激させられた次第です。
そんなお二人に興味があって、いろいろお話を聞かせていただくと、石川県に移住したいと思うところがあって、休暇を取って下見に来たというから二度ビックリ!
これまでに出会ったことのない人生の価値観をお持ちで、加えて着物にも関心を持っていらっしゃって、私の立場から言わせていただければ和装業界の金の卵と言っても過言ではありません。
なのに、広島県には魅力的な呉服店がなくて、お店を覗けば着物を勧められ、電卓を持って割引価格を提示されるそうです。
あるお店では15万円の品が3万円まで値段が下がるところがあって、着物の価値が一体いくらなのか疑問に思ってしまう話をされていました。
それに似た話を京都から来ていた帯屋さんが数時間前に話をされていたことを思い出しました。
展示会などで帯を協賛することがあり、戻ってきた商品に協賛させていただいたお店のプライスが付いていることがあるそうです。
その値段を見ると、当店で20万円で販売するような品が100万円のプライスが付いていることがあり驚かされたそうです。
大げさな話だと聞き流していたのですが、こうして消費者から生の声を聞かされるとガッカリさせられます。
このようは話は他の仕入れ先からも聞くことがあり、和装業界が消費者から信頼されていないだけだなく、地に落ちた業界であることを感じずにはいられません。
消費者が着物のことを知らないことを逆手に取った商法と言えますが、それにしても度が過ぎています。
「生活様式の変化から生まれるとされるきもの離れ」とか、「業界を支える職人さん離れ」とか、「コロナ禍で着物の需要が激減している」とか、業界の不振は時代の流れのように言われていますが、誰も触れようとしない呉服店の姿勢が消費者を遠ざける原因になっていることを自覚しなくてはなりません。
そこで私は言いたい。
着物のことが分からない消費者が増えているから、着物初心者に寄り添い努力を惜しますに頑張っているしている呉服店が少なくないこともご理解いただきたいです。
ひょんなことから出会いがあった20代の着物愛好家さんと安心してお付き合いができる業界であるためにも、物事を急がずに着物の魅力を伝えて行くコミュニケーション作りが大切なように思います。
安心して買い物ができる店を選ぶのはお客様で、お客様の声を真摯に受け止め、選ばれる店になるためにも向上心を持って創意工夫する姿勢が必要とされるのでしょう。
こちらの映像はタンスにしまい込んでいたお子さんの着物を室内インテリアとして再生した、幅40㎝×高さ33㎝の大きさの飾り物のミニ着物になります。
作られたのは日頃よりお世話になっているちりめん細工の先生で、知人からいらなくなった着物の使い道を頼まれて創られたそです。
久しぶりに先生のお宅に立ち寄ってみると、きもの再生サービスとしてお客様の着物を飾り物のミニ着物に創りかえる提案をいただきましてね~
着物を持って来てもらえればこんな感じで作れるとのことです。
いらなくなった着物をリサイクルショップに持ち込まれる方が少なくないように感じていますが、ミニ着物として飾ることができれば、思い出の着物として残すことができるのではないでしょうか?
その仕上がりにうっとりさせられるものがあって、店のきもの再生サービスとして採りあげてみることとしました。
飾るとなればミニ着物衣桁も必要で、この衣桁も含めて幸せの形となる、8800円(税込価格)にて承りたいと思います。
関心をお持ちでしたら気軽に相談ください。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。