【店主の呟き】
20年近く前に、店内で妻から着付けを習っていたお客様が、ご自身の黒留袖にカビが出ているのでお直しをして欲しいと、黒留袖を持って来ましてね~
その黒留袖を当時着付け教室に連れて来ていた娘さんの結婚式にお召しになるとのことでした。
その話を聞いて驚きましたが、入籍は終えたもののコロナ禍で挙式を上げていなかったために、この3月に結婚式をされるそうです。
当時娘さんは5歳くらいで、着付け教室にいつも連れて来ていて、練習中は私と一緒に遊んでいたので、とても印象に残っている娘さんです。
その娘さんが結婚されたと聞いて、嬉しく思うと同時に過ぎた歳月の速さをお客様のお話を聞きながら受け止めていました。
当時のことを思い出しては、「この感覚が20年という時間なんだ~・・・。」
過ぎた時間があまりにも早くて、DNDを早送りして見ているような感覚がありました。
出会いがあったリサさんと私の孫の年齢が似ていて、「孫も20年後には立派な社会人になっているのか~」
もしかして、結婚している孫もいるのかもしれないが、私にとってこの先の20年という時間がバラ色になればいいのですが、時を刻むことができなくなるかもしれない。
生死を分けた時間になりそううで、振り返ったときに笑みを浮かべられる出来事が多くあることを願いたい。
そしてその時間を家族で共有できるようにしたいものです。
【伊那紬をコーディネート】
さて、今日は信州で織られている伊那(いな)紬をコーディネートしてみました。
こちらがそのコーディネートですが、ワクワク感があって素敵だと思わない・・・。
合わせた帯がポップな感じがするからかもしれないが、この装いでお出かけしたくなりません。
伊那紬の産地である長野県は古くから養蚕が盛んで、織物の歴史も奈良時代にさかのぼるといわれています。
特に江戸時代には藩の推奨で各地に織物が発展したとのことです。
そこから生まれたのが伊那紬や、上田紬、飯田紬などの紬で、その紬の総称を信州紬と呼んでいるんですね~
その中でも伊那紬は柄の取り方が斬新で、色使いも明るくて私好みの紬かと思っています。
紬といえば渋みのある着物が多く大人感覚のものが好まれますが、普段着なので思いっきり楽しんでみてもいいのでないかと思っています。
伊那紬はその着こなしができる紬ではないでしょうか。
そんな想いもありまして、腹の部分をこんな感じでまとめてみました。
かんざしを紅色に墨色で市松模様を入れたものを持ってきて、帯揚げを黒地に銀糸で猫ちゃんを刺繍したもので合わせてみました。
そして水牛の角から作られた螺鈿(らでん)入りの傘の帯留めを白の三分紐で組み合わせたものです。
個性的なコーディネートになったかと思いますがワクワクしませんか?
楽しんでいただける伊那紬かと考えているので、興味を持たれる方はいつでも相談ください。
明日は地域の成人式で、お一人の振袖の着付けをさせていただきます。
着付けの先生に着付けをお願いしていますが店を早く開けなければなりません。
では今日はこれにて・・・
お休みなさい。