今日は朝から青空が広がって年末の大掃除日和となったのではないでしょうか。
儲け物の一日と言えますが、お客様はお正月の準備で忙しくしているのかお客様が少なくて、着物がお正月の支度と無縁になっていることに寂しく思うところがあります。
昔の話をして恐縮ですが、この仕事に関わった昭和の時代は、年末になると半衿や足袋に羽織り紐を買い求めにこられる方で賑わったもので、着物でお正月を迎えるという文化がありました。
当時はウールの着物が飛ぶように売れていたときで、十代から二十代の男女がウールのアンサンブルで初詣をされていた時代のことを思うと、日本の着物が何処に行ってしまったのかと思わずにはいられません。
時代の変化を受け止めなくてはなりませんが、きもの離れが進む中で着物業界全体が小さくなっていって、生産数も呉服店数も少なくなっていることから店作りの在り方を変えていかなくてはなりません。
現場に立っていて最も感じる事は、きもの離れが進んでいるということよりも、きもの難民が増えていということに目を向けた店作りが必要ではないかと考えています。
その戦略としては、口コミも大事な要素ですが、ネットを活かしてきもの難民との接点を探し出すことかと考えています。
言葉を替えるなら、商圏を全国に広げていくことが明暗を分ける鍵になって行くのではないでしょうか。
その意味で、ネットを通しての信頼と安心をどのような形で構築していくことができるかを真剣に考えていなくてはありません。
老朽化した私の頭で考えるにはハードルの高い店作りとなりますが、このハードルを越えていかないと未来が見えてこないだけに、来年の店作りの課題にしたいと考えています。
一方で、商品の魅力がお客様を惹きつける最も大きな要素となっていて、店の個性を確立していくとが店のファンを作って行くことに繋がるのではないでしょうか。
そこで何にこだわりたいかを明確にしていく必要です。
着物コーディネートにこだわる。
おしゃれ着にこだわる。
作家者にこだわる。
フォーマル系の着物にこだわる。
オーダーメイドの商品にこだわる。
和装小物にこだわる。
他にも考えられますが、店の個性となる切り口を何処に持ってくるのか。そして一つ一つ積み上げて行くことで他店との違いを明確にしていくことができるのではないかと考えています。
しかしここにも大きなハードルがあります。
限られた資本力でできることは限られていてリスクが伴いということです。
目指したい一つの道として考えるしかありませんが、方向性をしっかり定めて踏み出したいと思っています。
とにかくきもの難民となる新規を客をネットというツールで増やして行くことを店作りの課題としたいです。
自分に出来ることって限られているのに大風呂敷を広げてしまいました。
話題は替わりますが、今日は春が来たかの陽気で春をコーディネートしてみたのでご覧ください。
【横段ボカシの織りの牛首紬を型絵染帯でコーディネート】

私の好きな先染めの牛首紬の着物を型絵染の帯で組み合わせてみました。
牛首紬は高度な織りの技が求められる縞柄柄に横段ボカシを織りで表現した着物で春を思わせる優しい色合いであることから、レモン色の型絵染の紬染帯で街着の装いとしてみました。
この装いでお出掛けしたいと思いませんか。
【型絵染作家/澤田麻衣子氏が制作したナスターチウムの模様】

合わせた型絵染の帯は澤田麻衣子氏が制作されたナスターチウム模様の帯で、この明るい表情がとても気に入っております。
【雪兎と鈴の模様/加賀染め足袋】

そして遊び心のある加賀染め足袋の雪兎柄と鈴の模様で可愛い着こなしにしてみました。
この画像を撮ってから「菜の花とてんとう虫」の加賀染め足袋で合せれば良かったと思いましたが、いずれにしてもワクワクする着こなし方で、若い年代層の方がお召いただけたら素敵でしょうね~
来年も5月の23日・24日の土日に東京展を予定していまして、地元で織られている牛首紬を紹介させていただきたいと思っております。
今年も残すところ後3日です。
来年に向けて考える事がいろいろありますが、自分の心の中を整理して何処へ向いたいのかを纏めたいと思っています。
それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






