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残暑の厳しい日が続いていますが、秋の訪れは静かに近づいています。
その訪れが始まるのは強い日差しが影を潜め、夜が深まる頃から明け方にかけての静寂した闇の時間帯に忍び寄って来ます。
昨夜も部屋のエアコンを消し、すべての窓を開けると涼しい風が吹き抜けて快適でしたね~
あまりの気もと良さに、いつしか茶の間で深い眠りに落ちてしまいましたが、秋は目の前まで来ています。
日本語の言葉に「暮泥む」(くれなずむ)という言葉があります。
或る本に書いてありましたが、「泥む」(なずむ)とは、障害があって進むことができない状態だそうです。
暮れようとしているのに、暮れることができない空・・・。
夏の夕方は、特にそんな感じがします。
ゆっくりおりてくる闇の中、家路につく人々が行き交う街。少しずつ変わっていく空の色のように、焦りと安らぎの入り混じった複雑な気持ちが胸をよぎります。
やり残したことがあるようで、終わった仕事のホットしている。でも、まだ夜は長くて、何かをしなければ眠るにはもったいない。
暮泥む空は、そんな胸の内を映し出しているかのようです。
まさに私の今の心境と同じです。
秋物の戦略を考え、戦いに挑む品揃えを整えなけれなならないのに、夏の余韻が消えなくて前に進むことができない。
閉店に時間になると、細い緊張の糸は、いとも簡単に切れ家に戻ろうとするが、仕事の不完全燃焼は満たされない夜へと向かう。
燃えきらない心はストレスとなり、残された時間をDVDなどを見て心のすき間を埋めて眠りに入る。
そして、次の朝を迎える。
心はいつまでもお盆休みだが、明日からはすべてがいつものように動き始めるだろう。
外部から刺激されることを待つ自分は、どれだけ年を重ねても凡人でしかないが、そんな自分が好きだ。
最後の心のお盆休み、店を早じまいして映画でも見に行ってきます。
私の口説きなってしまいましたが、心のすき間を埋め、新しい挑戦者としてこの店に立ちたいと思います。
では、皆さんさようなら。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






