本日を持って感謝祭と位置づけさせていただいた「15万円以下の着物や帯の会」が終わりました。
その間に足を向けていただいたお客様には、心より御礼申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
今回の会を振り返ってみると、人を寄せることの難しさと、お買い物に慎重であることを痛感させられるものがありました。
これが着物離れが進んでいる現実なのか、それとも店の提案に心を動かすものがなかったのか、複雑な気持ちを残すものとなり力不足をであることを素直に認めなくてはなりません。
その一方で感激させられることがありましてね~
確か午後1時前後のことだったと思います。
ひとりのご婦人が店内に入ってこられましてね~
ご挨拶を交わすと、コートを脱ぎながら「この辺りは随分温かいんですね~」
初めてお顔を拝見することもあって、「どちらからお越しですか?」と、お尋ねしてみると、栃木県から新幹線でお越しになられたことを知らされて、ビックリさせられました。
というのも、県外からお越しになられる方は前もって連絡が入ることが多く、心の準備もできているのですが、あまりにも突然だったからです。
店から最も近いJR松任駅からバスで来るつもりでいたのですが、バスがないということでタクシーで来てくれたんですね~
お話を聞かせていただくと、私の店に行くことを随分迷ったそうです。
そのお客様は着付けを習い始め、ネットで着物関係のことを検索しているときに私の店を知り、それ以来ブログを見ていて、「この店だったら安心して買い物ができるに違いないと思って寄せてもらった」と、打ち明けられましてね~
心が震えるくらい嬉しいものがありました。
日々、どうしたら店の信頼を高めることができて、着物愛好家と寄り添うことができるのかを試行錯誤していただけに、簡単に向うことができない遠く離れた土地の方が「安心できる店」だと思って3時間近く掛けて来てくれたのです。
その感激は、皆さんの想像を超えるものがあり、私の知らないところで誰かが見てくれていることを身をもって味わった次第です。
高い入場料をいただいたことでもあり、ここはプロ意識を持って対応しなくてはなりません。
お客様の着物に対する価値観をお聞かせいただいて、ご希望に添う品を紹介させていただきながらコーディネートさせていただいたのですが、ご納得していただけるものがあったのか、終始笑顔がありましてね~
江戸好みのトータルコーディネートでまとめさせていただきましたが、それ以外にも黒地の帯など幾品かの商品をセレクトしていただきまして、気持ちの良い関係性を築くことができました。
K様、私に元気を与えてくださいまして本当にありがとうございました。
行き届かない点もあったかと思いますが、初めての出会いだったのに「安心できる店」の言葉を聞くこととなり、とても勇気付けられるものがありました。
心が折れそうになった時には、今回の出合いを思い出すようにしたいと思っています。
厳しい現実は、憧れのある夢を削ぎ落とすものがあり、それでも、わずかな望みを信じ、努力を惜しまずに根拠のない夢物語を描き続けている私です。
もしかしたら、それは少年の心かもしれません。
もしかしたら、それは理屈が通らない話なのかもしれません。
それでも踏み出すことって、予期せぬ出合いを導く「縁」を生み出す切っ掛けになっているとしたら幸せ者です。
いろんなことを語り掛けてくれた6日間でした。
過ぎてみれば、また一つ、宝物を手にすることができたのかもしれませんね。
では、これにて・・・
お休みなさい。