4月に当店で初めて開く「刺しゅう展」は私にとって最大の関心事で、お客様に情報を伝えることに必死になっているところです。
会を開く前はどこの店も一緒かと思っていますが、今回は、日本工芸会正会員でもいらっしゃる刺しゅう作家・森康次さんをお呼びするだけに集客を増やさなければなりません。
だった、地方の小さな店に業界の有名な作家さんが来てくれるなんてまれなことで、店の格付けを高める絶好のチャンスになるものだと考えているからです。
森さにしても成果を期待していらっしゃるでしょうし、お願いした側としては責任があります。
今回の会を開くにあたり、森さんの作品を紹介するだけでは、名誉ある日本工芸会正会員の日本刺繍の技を知ることが出来ないのではないかと考えた私は、刺しゅう半衿作りをお客様にしていただくことを思いつきましてね~
森さんの賛同もいただくことができまして、森さんに刺しゅう半衿に使う図案を17柄を起こしていただいて、「日本刺しゅう体験」を設けての刺しゅう展の運びとなったものです。
そん中の一つが「七宝柄(しっぽうがら)」の刺しゅう半衿です。
この会の趣旨を理解していただくために、前もって森さんに正絹半衿に手刺しゅうしていたいたものです。
その図案がこちらになります。
こちらもその中の一つとなる、「さくら柄」の刺しゅう半衿です。
起こしていただいた図案がこちらになります。
他に図案が15柄あり、面白味のあるものでは「音符柄」・「雪の結晶柄」・「猫球柄」・「四つ葉のクローバー柄」・「幸せの青い鳥柄」なども用意させていただきました。
しかし図案の公開が難しく、対面で刺しゅう体験の受付をさせていただくことが条件となるものです。
よって、ご遠方の方には体験が難しいものになっていましてね~
というのも、体験したい方は前もってお好みの柄を申し出でていただき、それを受けて、森さんが塩瀬正絹半衿に下絵を描いて持って来てくれるもので、刺しゅう体験はその準備を終えていないとできません。
その点はがとても悩ましいところです。
しかし、会期中にお好みの柄の刺しゅう半衿のご注文はできますし、森さんの日本刺繍をライブでご覧いただける企画であることもお伝えさせていただきます。
ちなみにオーダーメイドの刺しゅう半衿は、体験された方もそうでない方も一律、税込8千円でお渡しさせていただきます。
これは森さんにご無理を言って販売価格を抑えていただいたもので、当店も手縫い刺しゅうのご理解を深めていただくことを目的とするもので利益を取るものではありません。
刺しゅう体験を望まれる方は、会が始まる10日前までに図案名を知らせて欲しいと言われていて、そのこともありまして案内を急いでいる訳ですが、日が近づくにつれてプレッシャーが高まっていていましてね~
何もかもが私が言い出したことです。
その事を自覚しているのですが、このチャンスを森さんの着物や帯の作品に繋げるものにしなくてはなりません。
もの事の順番はこれでいいのでしょうか?
刺しゅう展は4月21日(金)~24日(月)までで、森さんの滞在は21日(金)の午後~23日(日)の夕方となるので、森さんの話を聞いてみたい方は、時間や日を間違えないようにしてくださいね。
毎日振り返りながらも課せられた責任の重さを感じている私ですが、全力で取り組みたいと思っているので、是非この機会に足を運んでみて下さい。
本物の良さを味わっていただけることでしょう・・・
今日も手書きの刺しゅう展の「案内状」と、店の情報紙「あ・うん」を持って外回りをしていたのですが、殺風景だった大地が少しずつ色好き始めたようです。
雲一つない青空を背に色づき始めた「桜」。
街路樹の土の中からは「つくし」が顔を出していて、見映えも大きさも全く違うものですが、春の訪れを喜んでいる様子がうかがえます。
音を上げるような寒い冬だったのに、お客様が来てくれないと口説く日々だったのに、雪の下では春が来ることを信じて影を潜めていてたのかと思うと、何故か草木たちが輝いで見えます。
何があろうとも必ずやって来る春。
人生の縮図を物語っている大地に自分を映し出し、自分が「桜」なのか「つくし」なのかを考えながらも喜びを分かち合うひとときでした。
では、これにて・・・
お休みなさい。