月が替わり今日から11月。新しい月が始まると、いつも京都出張から物事が始まります。
清々しい秋晴れとなり、外を歩いていても少しも苦になりません。むしろ外の方が気持ちがいいと思えた一日で、順番に仕入れ先を訪ねてまいりましたが、同業者が思っていたほど京都に来ていなかった感じがします。
10月の台風と雨で催事が思うように運ばなかったことが影響していたのかもしれません。
仕入先を回ってみると、職人さんの高齢化が物作りに影響を及ぼしていて、腕のいい刺繍半衿を作る職人さんが入院していて作れなくなっているとか、蒔絵をする職人さんが年で物作りができなくなったとか、至る所で、これまで作れていたものが作れなくなっていることを耳にすることが多くなっています。
その一方で材料費が値上がりしていて、生産調整をしている先が多いことも聞こえてまいりました。
職先の高齢化と生産調整は、益々物作りの環境を痛めつけていて、後継者が育つ状況ではなくなっているみたいです。
水面下では夏物の下ごしらえが始まっていますが、今年の夏は長雨で浴衣業界に一石を投じるものがあり、メーカーさんの警戒感が広がっている様子もうかがえます。
これらの悪循環は、踏み込んで物が作れないことを物語っていて、そのシワ寄せが職人さから仕事を奪うものになっているのかもしれません。
近い将来、これまであったものが無くなるということが現実のものとして起きてくることでしょう。
そして、メイドインジャパンの製品は値上がりをし、海外で作られた製品が市場に溢れる時代が来るかもしれません。
伝統を受け継いできた職人の技が危機的な状況にあることを教えられた出張でした。
着物業界を横目に、一部の会社では端午の節句の商材が発表されていて、進む時の速さを感じながらも注文を入れてきた私です。
明るいニュースを書くことができませんでしが、今日はこれにて閉店と致します。
では、お休みなさい。