忘れていた父親との約束

父の七回忌の法事で、家族全員で私の実家である福井県へ・・・・・
そこで、今日は父親の事を少し書いてみることにします。
二十代前半の時だったと思うのですが、父親と交わした約束があります。
私の実家は両親が共稼ぎをしているごく平凡な家庭でした。
長男として育てられた私は、高校時代に商売に憧れを持ち卒業と同時に京都の染屋さんに就職しました。
しかし夢破れ一年近くでその会社を辞め実家に戻ってきたのです。
それでも商売をしたいという気持ちは変わらず、次に選んだ就職先は、県内で衣料品をチェーン展開をしている会社でした。
そこの会社のご縁で石川県の呉服屋さんに勤めることになり、それから数年後のことです。
お正月休みの実家に戻っていた夜、石油ストーブの上で餅を焼いていた父が、
お前も食べるか・・・・
焼いてくれた餅を食べながら、
とうちゃん、自分は長男だけどこの家に戻ってこなくてもいいか。
いつの日か、石川県で自分の店を持ちたいんや・・・・・
そして、頑張って三階建てのビルを建てたいと、打ち明けたのです。
父親はうすうす感じていたみたいで、
お前の人生や、とうちゃんやかあちゃんのことは心配しないでいいから好きなことをすればいい、
応援はしてやれないけれど、楽しみにしていると言ってくれたのです。
それから30数近く時が過ぎ、なんとか自分の店を持つことができましたが、三階建てのビルはいまだに建てることができていません。
こうして商売を続けて行く中で、ビルにはこだわっていないこともあり忘れていたんですね~
餅を食べながら交わした二人だけの時間。
懐かしいな~
その時のことを思い出した法事の席でした。

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