シルク着物の中で最も普段着といえば、糸を先に染めて織り上げた紬の着物です。
高価で代表的な紬とうえば、茨城県の結城紬や奄美大島の大島紬などがありますが、他にも日本全国に、その土地の風土を生かした紬の産地が数多くあります。
ここに写真をアップした紬もその一つで、石川県白山市で織られている「牛首紬」です。
私の地域で織られている紬なんですよ・・・・・・
詳しく言いますと、白峰村牛首で古くから織られてきた先織りの絹織物で、江戸・元禄年間に「牛首紬」として商品化されたとのことです。
別名を「釘抜き紬」(くぎぬきつむぎ)とも言われたいて、着物に5寸釘を打ち付けても、着物を引っ張るだけで抜けるといわれるくらいに強くて丈夫な地風であることから、この名が付いたと聞いています。
牛首紬は二頭の蚕(かいこ)が一つの繭(まゆ)を作った 「玉繭」(たままゆ)を用いています。
玉繭は2~3%の割合で割合で自然発生するもので、ほのかな光沢が出るのが特徴です。
最近では、牛首紬の白生地から染める友禅や小紋染の生産が増えていて、本来の昔からある織物が少なくなってきています。
これも時代の流れかもしれませんは、私は素朴な味を漂わせる縞模様の紬が好きですね~
ちなみにアップした織物の牛首紬のお値段は40万円前後する紬なんですよ。
私がこの業界に入った頃に比べると随分お高くなっていることを感じています。
(最も30年近く前のことと比較してですがね~)
今日はこの牛首紬におしゃれな名古屋帯を幾つか合わせてみました。
どうかご覧ください。
爽やかな色合いの塩瀬の染め帯。
少し格調が高くなってみえる塩瀬の染め帯。
個性的さが増します、すくい織りの帯。
珍しさが際立つパッチワークの帯。
色合いや模様に小粋さを感じさせられます・・・・・・紬の染め帯。
可愛い感じに仕上がる紬織りの帯。
普段着だからこそ、楽しい帯を合わせてみたいものです。
帯の合わせ方一つで年代巾が広がるのが おしゃれ着の面白さ。
体系が良く似ていれば親子で使いまわししてみるのも着物のなせる業ではないでしょうか・・・・・・
どうか待ち受ける秋を着物でエンジョイしてみてくださいね。