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振袖戦略に足を踏み入れたところ、これが私が認識する世界とはまったく違う次元になっていて、戸惑うばかり・・・。
時代背景と着物を知らない世代が増えているからでしょう・・・
同じような振袖が、価格競争になっていて、量販店の心理作戦に市場が動かされていることを知らされています。
実は来月、振袖展を店内で開催する予定でいるのですが、案内ができる振袖対象者が娘の知り合いだけ。
他に名簿らしいものが無く、どのようにして駒を進めたらよいか頭を悩ませているんですね~
このままでは、戦う事ができません。
そこで、目先の事だけでなく、広い範囲で店の特徴を知ってもらい、相談しやすい環境を育てることができないものかと、プラン作りに試行錯誤しているとことです。
その一つとして、店の役割というものを考えてみました。
ブログを始めた頃に下記の体験文をアップしましたが、違う視点から、あの時の感動を書きかえた作文です。
『一枚の振袖から教えられた店の役割』
随分昔の話になりますが、ご結婚されたお客様の娘さんが
二十数年振りに尋ねてこられました。
その方は、少しふっくらしたお母さんになっていて、当時の
ことを思い出し懐かしく感じましたが、ご用件を聞いてみる
と、自分が着た振袖を娘に着せたいというご相談でした。
後に、ご本人の振袖を持ってきてもらい、着物の状態を見
てみると、着丈は短く、黄色く変色している箇所も目立ち、
お嬢様の振袖としての再生が難しい着物でした。それでもお
母さんの強い想いは変わらず、お直しを引き受けることにな
ったのです。
身丈にはハサミを入れて、間によく似た生地を継ぎ足し、黄
変した所には金加工を加え大手術。そして、仕立て直しをし
て納めると大変喜んでくださいましてね~
それからしばらくした成人式の日のことです。そのお客様
が、式を終えた後に娘さんと共に再生した振袖を見せに来て
下さいました。店の玄関先で深々と頭を下げ「ありがとうご
ざいました」と、言ってお帰りになりましたが、その時は嬉
しくて、嬉しくて感激しました。
あの時、お直しを受けることがなかったら、このような満
足感を味合う事はなかったでしょう・・・
その時の経験は、店の役割というものを問いかけるものでし
た。そして、着物を通して親と子の暖かな関係に触れること
ができたことを私は忘れないでしょう。
過去の体験から「今・何が出来るのか・・・」を、もう一
度、見直している私です。
ここしばらくの間、どのような振袖の展開ができるかを真剣に考えていました。
世の中の主流が、娘に送られてくるDMの振袖柄や、メイクや記念写真、更には着付けのサービスならば、私は他の事に目を向けてみよう思っています。
その一つが「お母さんの振袖再生」です。
店には そのノウハウがある訳ですから、それを生かすことは、とても親切な事ではないかと考えています。
そして、こだわりの振袖を店で紹介することができないか・・・
それもオシャレな振袖を・・・
ここのところは仕入れ先との相談になりますが、私が持っている情報を振袖の会に集約出来ればと考えています。
さて、それらの情報をどのようにして外に発信するかが大きなハードルです。
まずは、このブログでと思い記事にしてみましたが問題は山積み。
難しい商品にチャレンジしたものだと、上げた拳の先を探る一日でした。