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今日はいつもと違う話題をお届けしてみましょう・・・
毎月、京都出張の折には、お店でお出しするお茶菓子を買って帰るようにしていて、和の風情を味わっていただくようにしています。
特に和菓子の季節感のあるものが好きで、さまざまな店の工夫とネーミングに学ばせてもらっている訳ですが、私の地域にも興味を引く和菓子があり、今日はその品を紹介したいと思います。
それがこの手取川「昭和九年」というお菓子です。
とても不思議ねネーミングでしょ・・・
これまでこのお菓子の事はまったく知らなくて、店のスタッフの方からもらって始めて知りました。
その時は「なにこれ~」って感じでしたね~
少し話が変わりますが、この地域には霊峰白山から流れ出る水が手取川を通って日本海へと流れ出ています。
私たちはこの手取川からいろんな恩恵をいただいている訳ですが、ひと度豪雨に見舞われると、川は暴れ川となり、手を取り合って川を渡ったことから「手取川」という名前が付いたと聞いております。
その母なる川が、昭和九年七月十一日に、前日から降り続ける豪雨で氾濫。
家は流れ、田畑は泥の海と化し、多くの犠牲者を出たそうです。
そして、この悲惨な災害を忘れないようにと和菓子に託されたのがこの最中で、「昭和九年」という名前が付けられたみたいです。
包紙を開くと、目には昭和九年の文字が・・・(反対側も同じです)
凄いインパクトがのあるお菓子です。
お菓子の由来を知らない人は、私のように「なにこれ・・・」って感じで驚くのではないでしょうか。
これまでいろんなお菓子を口にして来ましたが、年号をネーミングにしたお菓子は始めてです。
そして、このお菓子を半分に割ってみると、
中からアンと一緒に白いクリームが・・・
このアンとクリームのバランスもこのお菓子の特徴であり、お茶席にも愛用されている事を聞きました。
和と洋が重なり合った味に、意外性を感じつつも美味しくいただくことが出来ました。
石川県能美市にある「太なか」という、こじんまりとした和菓子屋さんで作られているそうですが、当時の店主が考え出したアイディアが、こうして長い歴史を経ても、地域の人達から愛されていることも考えると、経営者の立場からも羨ましく思います。
遠い昔に比べると自然環境も整備されて、大きな災害に見舞われることもなくなりましたが、ここに至るまでの先人たちの苦労を考えると、この土地に感謝しないといけませんね。
今日、北陸地方に梅雨明け宣言が出されたそうです。
今年は降水量も少なく、雨に悩まされることがありませんでしたが、昭和九年七月十一日に悲しい出来事があったなんて、このお菓子を食べないと思い出すことはなかったかもしれません。
この写真で、その時の豪雨を想像しながらご賞味ください。
さて、明日は「浴衣で遊ぼう!」という、店が企画したイベントが行われます。
金沢市の主計町にある町屋、「菊乃や」さんをお借りして、茶室でお抹茶をいただいてから、昼食を取り、芸者さんの芸を楽しむという、乙な遊びを体験する企画です。
当初予定していた人数が集まらなくて、私も含め総勢9人で楽しむこととなりました。
暑い日になりそうです。
始めての企画でもあり何かと心配事は絶えませんが、気使いの心で臨めたらと思っているところです。
それでは いつもより早い投稿になりましたが、今日を閉じることに致します。
お休みなさい。