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今日は「日本の風情」というものをお客様と共に触れてまいりました。
その仕掛け人は、金沢市主計町(かずえまち)にある、『菊乃や」さんという町屋(昔のお茶屋さん)に、
主計町の芸妓(げいこ)さん『桃太郎』をお呼びして繰り広げられました。
今回の目的はお客様とのコミュニケーションを深めることと、着物で遊ぶ機会を設けたいと考え企画したもので、「菊乃や」さんを貸し切って総勢9人で行うことに・・・
まず先に玄関先で迎えてくれたのは、今の季節の花であるアジサイでした。
全員が集まってから、最初にこの茶室で一服です。
昨日梅雨明けしたこともあって、夏の日差しが中庭に差し込みます。
今回のお客様の中に、妻が生前、遠州流のお茶で親しくさせていただいたSさんもご参加くださいまして、無理を言ってお点前をお願いしました。
気ぜわしい世界から離れ、心を落ち着かせることに・・・
この菊乃やさんの建物は昔ながらの造りにこだわっていて、2階の畳は手縫いの畳だそうで、確か一畳28万円近い費用がかかっている話を聞いています。
落ち着いたところで、その2階のこだわりの部屋で昼食です。
ここからは水色の絽の訪問着をお召しになられている「桃太郎」さんと、「きみ代」さんが参加。
女性の方には芸妓さんの世界に興味を持たれるみたいで、かつらのことや、髪飾り、更には衣裳のことや芸事のことなど、話がつきません。
話を聞いていて、長女と桃太郎さんの年が似ているみたいで、金沢美大を卒業していらっしゃるというから興味が引かれます。
とても明るい方で、私たちの知らない世界を覗き見れたような気がしました。
そしていよいよクライマックスの始まりです。
三味線の響きが時代を巻き戻すかのように優しく響き渡ります。
そして長唄に合わせて、桃太郎さんの踊りが・・・
なんと優雅なことでしょう。
踊りの後はお座敷太鼓です。
私たちも順番に唄に合わせて叩かせてもらいました。
先生は桃太郎さんですが、一緒になって遊ぶことで場が盛り上がります。
こうしてお昼を挟んで4時間近く、珍しい体験をしてまいりました。
お客様からは、想像していた以上に楽しかったと言ってくださり、肩の荷が下りた気がしています。
日本の文化ってなんて優しいんだろう~
そして人も心も・・・
猛暑日の中、ご参加くださいましたお客様に感謝です
菊乃やさんで裏方として手伝ってくださった町屋金沢さんのスタッフに感謝です。
お点前をしてくださったSさに感謝です。
そして桃太郎さん・きみ代さんに感謝です。
ありがとうございました。