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夏着物の中で安定して売れていたのが絽無地でしたが、近頃はメッキリ陰を潜めていて、作る側も知恵を絞っているのが現状ではないでしょうか・・・。
今日はそうした環境の中で、おしゃれな夏物の無地があり、その品を紹介させて頂きたいと思います。
ここにアップした品がその絽無地です。
ご覧になってお解りのように表と裏側の色が違う、リバーシブル着物で、淡いピンクと水色で染められています。
裏地が付かない単衣仕立てだけに、どちらかを表にしてお仕立てをすれば、表地とは違った色が「袖口」や「振り」、上前の「おくみ」からチラリと見えるのですね~
それにもう一つ、この無地には隠し技があります。
それを確認するために画像を大きくしてみました。
お解りになるでしょうか。
淡いピンクの色に鮫小紋(さめこもん)の模様が入っているんですね~
その分、染めるコストは少し高くなりますが、近くで見ると細かい模様が入っているなんて、とてもおしゃれです。
今年はこの色が最後の一反となり、明日まで割引させていただいています。
どうか参考にしてください。
話は変わりますが、昨日神奈川県からお越しになられたお客様の続編があり、そのことを書いてみようと思います。
開店としてしばらくのことでした。
金沢に宿泊された神奈川県のⅠ様から、これからもう一度伺いたいとという電話をいただいたのです。
ご主人がレンタカーを準備されたみたいで、今から向かうということでした。
その時、商品の見直しなのかな~・・・なんて思っていたのです。
しばらくしてお越しになられると、ご夫婦で店の中へ・・・
そしてご主人は再び車に乗り店を離れたのです。
ご主人は奥様に気を使ってくれたのだと思いますが、私は他のお客様をお相手していたもので、再来店の目的が判らないでいました。
店のスタッフから後で聞いてのですが、ご主人は金沢の名所と言われる21世紀美術館や兼六園を見て回りたいと思っていたみたいです。
だけど年に一度しかないセールだから、もう一度見てみたいという奥様の気持ちを尊重してくださったみたいで、店まで送ってくれたんですね~
最初に電話をいただいた時にも驚きましたが、金沢入りした目的が観光より私の店の商品を見るためだけにお越しになられたとは、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
それに奥様をサポートしてくださったご主人に感謝しなくてはなりません。
そして、昨日見ることが出来なかった染め帯を見たいというのです。
お客様の話によると、染め帯の品揃えをしている店を探し、これまでに随分いろんな呉服店を見て回ったが、東京にも神奈川にも、店で取り扱っているような染め帯が見当たらないというのですね~
(この染め帯とは、染めて模様を描いた帯のことです。)
そして、ようやく探し当てた。
そのようなことも言っておられました。
思ってもいなかったお褒めの言葉をいただき、天にも昇る気持ちでお見立てをさせていただきましたが、ここしばらく迷いがあっただけに、お客様の笑顔にどれだけの元気と勇気をいただけたことか・・・
「私の店と相性が合う人が全国に沢山いる」・・・そのことを教えられた気がします。
そして、そのお客様は私におっしゃいます。
「東京近郊で展示会をしてみては・・・皆、このような商品を探していると思いますよ」
店の経営として、お客様の言葉にヒントが隠されている気がします。
投げてくださったボールを素直に受け止め、その機会を探ってみてもいいのではないかと、改めて思っているところです。
本当に勇気をくださいましてありがとうございました。
心から感謝申し上げます。
お値打ち品の会は残すところ後一日となりました。
疲れが溜まっていますが、なでしこジャパンになった気持ちで最終日を迎えたいと思っています。