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残暑の厳しい日が続いていますが、秋の訪れは静かに近づいています。
その訪れが始まるのは強い日差しが影を潜め、夜が深まる頃から明け方にかけての静寂した闇の時間帯に忍び寄って来ます。
昨夜も部屋のエアコンを消し、すべての窓を開けると涼しい風が吹き抜けて快適でしたね~
あまりの気もと良さに、いつしか茶の間で深い眠りに落ちてしまいましたが、秋は目の前まで来ています。
日本語の言葉に「暮泥む」(くれなずむ)という言葉があります。
或る本に書いてありましたが、「泥む」(なずむ)とは、障害があって進むことができない状態だそうです。
暮れようとしているのに、暮れることができない空・・・。
夏の夕方は、特にそんな感じがします。
ゆっくりおりてくる闇の中、家路につく人々が行き交う街。少しずつ変わっていく空の色のように、焦りと安らぎの入り混じった複雑な気持ちが胸をよぎります。
やり残したことがあるようで、終わった仕事のホットしている。でも、まだ夜は長くて、何かをしなければ眠るにはもったいない。
暮泥む空は、そんな胸の内を映し出しているかのようです。
まさに私の今の心境と同じです。
秋物の戦略を考え、戦いに挑む品揃えを整えなけれなならないのに、夏の余韻が消えなくて前に進むことができない。
閉店に時間になると、細い緊張の糸は、いとも簡単に切れ家に戻ろうとするが、仕事の不完全燃焼は満たされない夜へと向かう。
燃えきらない心はストレスとなり、残された時間をDVDなどを見て心のすき間を埋めて眠りに入る。
そして、次の朝を迎える。
心はいつまでもお盆休みだが、明日からはすべてがいつものように動き始めるだろう。
外部から刺激されることを待つ自分は、どれだけ年を重ねても凡人でしかないが、そんな自分が好きだ。
最後の心のお盆休み、店を早じまいして映画でも見に行ってきます。
私の口説きなってしまいましたが、心のすき間を埋め、新しい挑戦者としてこの店に立ちたいと思います。
では、皆さんさようなら。