ひと足早い浴衣情報・いにしえの「べんがら染浴衣」

 数日前に関西方面の方から、竺仙さんのブランドで「べんがら染の浴衣」を紹介して欲しいとのご相談をいただきました。

 

お住まいになられる地域の専門店さんに相談をしたが、ご自身が思い描く「べんがら染の浴衣」が手にできないことから、2010年の店のブログ記事を見て、取り扱いがあることを知ったのでしょう・・・

 

とても光栄なことです。

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お話しを聞かせていただくと、以前のべんがら染は赤味があったのに、現在作られているものは、くすんだ赤味で、手にしたいと思っている浴衣ではないというのです。

 

つまり、2010年に発表になったべんがら染の浴衣が欲しいとのご相談です。

あいにく、ブログにアップした品がお嫁に行ってしまって店にはありません。

 

そこで、ブログ記事で紹介させていただいた柄と同じものを染めれるかもしれないので、竺仙さんと連絡を取り合って、ご返事をさせていただくこととなりました。

 

 

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今週の月曜日に、その回答がありました。

 

結論から言うと、当時の染料を作るには、ロットといって数十点染めなければならず、一点のために染料を作るのが難しい状況にあるとのことです。

 

ご相談者の願いを聞いてあげることができないことが判り、気を落としていると、担当者から会社に当時のべんがら染浴衣があるかもしれないので探してみたいとのことでした。

 

かすかな望みは細い糸で繋がりました。

 

翌日、初期の染料で染めたべんがら染が3点あるとの連絡が入り、ご先方の方に紹介させていただくことにしたのです。

 

そして今朝、その浴衣が店に届きました。

 

その品が先程の写真です。

 

 

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ご相談者には、ブログ記事でアップすることを申し上げたので、ここに紹介させていただきます。

 

お気に召していただくるといいのですが・・・

私に遠慮なさらず、冷静にご判断ください。

お電話をお待ち申し上げております。

 

 

 

今回のご相談は、べんがら染という特殊な染料だっただけに同じものを染めることができませんでした。

そのことが残念でしかたありません。

 

私に出来ることはここまでです。

 

このように、県外の方から、さまざまなご相談をいただくことが多くなっています。

 

その度ごとに、私の店がご相談者の近くにあれば、もっと深いお話しができただろうし、お顔を会見していれば、私が知る違うカードをご紹介できたかもしれない。

 

それが叶わない悔しさがあります。

 

私はこれまで学んだ経験をお客様に押しつけたいと思っている訳ではありません。

何か一つでも、お役に立てるのであれば、そのことに情熱を傾けたい。

これが、人生をかけて取り組んで来た仕事を、生かせる場であり、「店はたった一人のために存在する」と、考える信念だからです。

 

一流専門店さんとは、比べ物にならない店かもしれません。それだけにお客様と真摯に向き合ってベストを尽くしたい。

私はそこに生き甲斐を求めているのかもしれません。

 

今日も完全燃焼しました。

ゴールに近づいたかと思うとホットしています。

 

それではお休みなさい。

  

 

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