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「女性を一番美しく見せる色は黒である。」
そのようなことを書いていた雑誌がありましたが、確かに黒は女性の色気を引き出す色ではないでしょうか?
言うまでもないが、単に黒を身にまとうだけでは魅力的な女性になるわけではありません。
黒の使い方や体系にあったデザインなど、条件が揃って美しさが生まれるものだと思うが、和装の世界でも同じことがいえます。
そのような前提のもとで、こちらの更紗の染帯を紹介したいと思います。
模様自体は古典的な柄だと思いますが、地色を黒にしたことで一段とおしゃれ感が帯ではないでしょうか?
同系色で着物を合わせ、帯〆などにベージュ色を入れて、きもの通の着こなしもできるし、薄地の着物にスパイシーが効いた黒地の帯を合わせ、個性的なコーディネートに仕上げるのも面白いかと思います。
なぜか黒地の帯というものは、着物を熟知した感覚が存在していて、誰もが憧れを持つところがあるのではないでしょうか。
秋の深まりと共にお薦めしたい一品です。
話しは変わりますが、現在お配りしている「あ・うん」の紙面の中から、「おもてなし」のことについて書かせていただいた文があります。
『お・も・て・な・し』
東京オリンピック招致へのプレゼンテーションに滝川クリステルが「おもてなし」の言葉を使い、心に鳥肌が出るような感触を覚えました
きっとそれは、激動の社会の中で身を守ることに日々紛争していて、忘れかけていた精神だったからかもしれません。
「おもてなしの心」とは、さりげない心でもてなす行為で、見返りを持たない日本人の心の在り方ではないかと捉えています。
受けた側が心に残る余韻や感銘・感動が湧きあがる関係がそこには存在するものだと思いますが、評価をしてくださるのは、おもてなしを受けた側です。
「一期一会」の出逢いを大切にする行為は日本ならではの文化があり、茶の道にはその精神が生かされているのではないでしょうか?
そのおくゆかしい文化は、いつしか決まり事やマニアル化を図り、結果を優先する風潮から、人に対する温かな心配りを失いつつあるのかもしれません。
そのような中で、滝川さんの「おもてなし」の言葉とポーズには、心を尽くしてお招きしたいと願う気持ちと、私たち日本人に向けてのメッセージが秘められていたのかもしれません。
ドキッとしましたが、私たちの心に落とされた気がします。
2020年の東京オリンピックのステージを支える国民として、世界に誇れる「おもてなしの心」が見直される時代が来ることでしょう。
もしも、「おもてなしの精神」が一人ひとりの心に宿ったなら、人を攻撃する行為は少なくなるかもしれませんね・・・
私はこの文を書きながら妻を思い出していまた。
妻は周りの人に対する気配りがとても上手でファンが多くいました。
どうして彼女が多くの人に愛されていたのかを時折振り返ることがありますが、もしかしたら「おもてなしの心」が身についていたのかもしれないと気づかされたのです。
店作りにはいろな形があります。
これまで遠くを見ていましたが、おもてなしの心に学ばなくてはならないことが、今の私には必要なのかもしれません。
彼岸の入りに、その事を問いただした私がいました。
それでは今日はこれで終わりに致します。
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま







