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今日は気温も低くミゾレとアラレがよく降った一日でした。
思っているほど積雪もなく胸を撫で下ろしていますが、春が来るまでこのような日が続くのかと思うと、憂うつになります。
雪が降らない土地の方が少し羨ましいかも・・・
それでは今日の投稿です。
秋になって、頻繁にファックスが入ってくるのが、成人式名簿をいらないかという、よく分からない会社からの情報です。
個人情報保護法という法律があるのに、どうしてこのような名簿が流出するのか不思議でなりませんが、申込みの情報を消しても、こりずに入ってくるもので腹立たしく思っています。
私の店は個人情報保護法が出来てから、地域の人たちから名簿を集めることを辞めました。
それ以来、振袖の弱い店になってしまいましたが、最近の振袖市場を視ると、成人式のコスプレ衣裳になっていることに失望感を抱いてます。
それに、過剰とも思えるサービスの数々に目を疑いたくなることも多く、振袖が違うジャンルの世界へ行ってしまったことに悲しさを覚えます。
それでもお取り引きをさせていただいている染め屋さんは、以前ほどではありませんが、こだわりの振袖を染めていて、一握りのお客様に応えられる努力を失ってはいません。
ここに紹介する黒地に振袖もその一つで、力強い模様と色合いに心を動かされます。
素材はちりめん地で、手描き友禅されたものです。
個性的ではありますが、これが振袖らしい振袖と言えるのではないでしょうか?
流行り物の振袖の中で、これを着て成人式に臨んだとしたら、世の中にこのような振袖もあるのかと、いい意味で驚かれるのではないかな~
写真映りもいいし、次の世代にも譲ることができる振袖だと思います。
手描き友禅だけに、少しお値段も張りますが、ご予算が許す方であればご満足していただけるに違いありません。
たくさんの方に、このようなこだわりを持つ振袖が存在することを分かっていたただきたくて、ここに紹介させていただきました。
このような振袖に合わせるバックとして、刺繍入りバッグも揃えているので、参考までに映像をアップさせていただきます。
どうか参考にしてみてください。
話しは変わりますが、5年近く前に、ご自身で振袖を準備してくださったお嬢さんが遊びに来てくださいましてね~
長い経験の中でも印象に残る女性で、故郷を離れ、関東の大学で勉強しなからアルバイトで貯めたお金で振袖を作ることができるかと相談にこられた方です。
その時はとても驚きましたが、これも何かのご縁だと思い、予算内でお見立てをし振袖を納めさせていただきました。
それからしばらくして、お母さんが尋ねて来られました。
お嬢さんが自分で振袖を作った事実を納めてから知ったみたいで、「よく知らない娘のことを信用し、振袖を見立ててくださってありがとう・・・」と、涙を浮かべ感謝されましてね~
着物を仕上げてから決済をした事実に驚かれていたのかもしれませんが、お礼を言われるようなことをしたとは思っていないだけに恐縮したしだいです。
親に相談なしで振袖を作った人は後にも先にも彼女ただ一人で、それだけに忘れることができない出来事でしたが、現在はこちらに戻り立派な社会人として頑張っていらっしゃいます。
前置きが長くなりましたが、その彼女に大きな夢があることを知りましてね~
その夢に向かい、勤めていた会社を辞め、映像の勉強をするために美術大学へ行くことを目指しているというのです。
夢を聞いてみると、地元でシアターを作り、世界中の映画を皆に視て欲しい・・・、そのためにも映像の勉強がしたい。
純粋な眼差しで語り始めた後に、心を寄せる男性がいて夢が揺れ動いていることも話してくれました。
聞いている私も心が熱くなり、少年に戻った気持ちでいろんな話をさせていただきました。
私の娘の年で、こんなにも夢を語ってれる若者は初めてで、正直嬉しかったです。
そして彼女に、手にしたいものすべてを掌に乗せようと思っても何かがこぼれ落ちていくもので、今一番欲しいものを掌の真ん中に置いて、未来を考えてみてもいいんじゃないかな~・・・。
生意気なことを言ったみたいでしたが、彼女はその言葉を受け取ってくれたようです。
若いっていいですね。
傷ついて道に迷う時があったら、いつでも顔を覗かせて欲しいし、何十年後かにシアターが出来たなら必ず招待状を送ってください。
そんな気持ちで彼女を送り出した私でした。
明るい未来が待っていることを願っております。
そして、2014年の「あ・うん」1月号がようやく出来上がりました。
遅くなってしまいましたが、少しほっとしているところです。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま







