◆
どれだけ経験を積んでも、仕入れというものは大変難しいものです。
Aという商品が売れているからと、担当者の話をうのみにし、取り上げても売れないこともあれば、一目ぼれした商品を仕入れ、陳列してみると、即座にお嫁に行くこともあります。
これが商売の醍醐味かもしれませんが、お客様が手にしたいと思っていただける品を揃えるのが、仕入をする側の役割です。
経営の資源となるだけに、他店との差別化も頭に置かなくてはなりませんが、それだけに、センスや提案力、更には市場の動きもリサーチしておかねばなりません。
店が持つ個性というものが、そこから生まれる訳ですが、新しいものを追いかけていくことが求められるだけに、その重圧は計り知れないものがあります。
それらのことを頭に置いて、訪れる季節の受け入れ態勢を整えているところです。
そんな折に、仕入先から面白い商品の紹介をいただきましてね~
それがこちらの「かご型のセカンドバッグ」です。
大きさは幅25×高さ16㎝のもので、その作りとデザインに心を動かされています。
今日はそれをご紹介してみましょう。
このバッグをどのようにして使うのかと思ったら、蓋(ふた)付きのセカンドバックなんですね~
なんとも使いにくいバッグですが、このアイディアを誰が考えたのかと想像するだけで楽しい気持ちにさせられます。
「この無駄が面白い!」そんなことを呟きながらも、来店されたお客様にリサーチしてみることにしてみました。
お値段は税込19,440円の品です。
原形を見るなりお客様は、「おしゃれなバックだこと・・・」、その後に使い方を見せると、「これは面倒だ・・・! 蓋を置き忘れるかもしれない」とか、「両手で使うとなると不便だな~」などなど。
みなさん現実的で、撃沈されています。
なのに私の想像は広がります。
買い物をした時に、このバックからお財布を取り出したら、店の人は、面白いデザインのバックに驚くだろうな~
そんな遊び心が生活を豊かにするように思えてなりません。
成熟した市場だからこそ、変わり種の商品が求めれているのではないのでしょうか?
振り返れば、私の仕入れは遊び心に片寄っていて、無駄なものばかり。
そのことで、店のファンとなっていただけるお客様もいれば、的を外し、経営を圧迫しているところも少なくあります。
今回のケースは、ほんの一例で、増税後、消費が低迷している中で、新しい商品を見る度に迷いを引き寄せます。
面白さを取るか、現実を視るかで商品価値が180度変わる商品仕入れ、これは川上の作り手も同じょうな気持ちがうず巻いていて、危険を避けているこころが伺えます。
夢を語れなくなったらつまらないのにね・・・
私の格闘は、この仕事を続けている限りなくなることはないでしょう。
話しは変わりますが、開店当時から駐車場を共にしていた、お隣の美容院が6月の上旬に移転することになり、そのご挨拶にこられました。
国道沿いにポツンと二つ並んでいた店が、私の店だけになると思うと寂しくなりますが、新しい門出を祝福したいです。
みんないろんなことがあっても一生懸命、その心に触れる度に元気をいただいていますが、私も周りに人に影響力を与えるような夢を持ち続けたいと思います。
それではこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま







