♥ 11月の七五三を前にして、今日は四つ身の晴れの日の着物を紹介させていただきたいと思います。
その前に子供着物の大を一つ身(ひとつみ)、三つ身(みつみ)、四つ身(よつみ)という呼び方をしていて、「一つ身は1~2歳」、「三つ身は3~5歳」、「四つ身は7・8歳」の大きさを指します。
つまり、子供の着物は年齢で仕立て方が違い、大きさも違うことを頭に入れておいてください。
若いお母さんには聞きなれない単語かと思いますが、覚えておかれるとウインドショッピングする際に役立つかもしれませんね。
数日前にお客様から四つ身の着物を一式用意したらいくらくらいかかるものなのかと尋ねられることがあり、おおよその金額を申し上げてみたのですが、その際に、多くの人が目安となるものが判らないのではないかと思って記事にしてみることにしました。
お店によって取り上げている着物が違うもので、定規で線を引いたみたいに分類ができませんが、既製品の場合は化繊と絹の2種類の素材から仕立て上がっているものが市場にあります。
こちらはポリエステル素材のもので、裏地も下に着る長襦袢もすべてポリエステルで作られた品になります。
レトロな雰囲気を漂わせた撫松庵というメーカーの品で、こちらで帯や草履など一式揃えると10万円近くかかるのではないでしょうか?
こちらの水色の訪問着は絹素材になりますが、絹を使った既製品の場合、コストを下げる意味で裏地や長襦袢をポリエステル地を使用したものが多く、価格帯にばらつきがるものの帯や小物を一式揃えると20万近くかかるものもあります。
そして当店がこだわってみたいのが、ご注文をいただいてからお仕立てを加える誂えの四つ身訪問着です。
映像のピンク地の訪問着は加賀友禅作家さんが描いた四つ身の花車文様ですが、既製品とは柄の付け方も色合いの出し方も一味の二味も違うものです。
ご注文をいただいた折には、裏地も長襦袢も絹を使わせていただく場合が多く、着物が輝くことを前提に帯も草履やバッグもこだわりたいというのがお客様の心理かと思います。
そうなると、一式40万は超えるものになるでしょう。
おおまかですが、四つ身の着物一式がこんなにも価格帯に開きがあることに始めて気づかされたのではないでしょうか?
加賀友禅の四つ身訪問着をご準備される方は地元であっても少数派になりますが、近年は七五三の着物を合理的に考えられる方が増えていて、価値の高い品が作られなくなっています。
それだけに希少価値の高い着物と言えるのかもしれませんね。
あくまでも目安として考えていただきたいのですが、参考にされてみてください。
さて、話は変わります。
近頃和雑貨であっても問屋さんに在庫を持たない会社が増えてきていて、ご注文をいただいても対応できないことが増えてきていることに頭を痛めております。
裏を返せば、新作が発表になった時点で、売れると思った品は小売店が在庫する覚悟で量を確保しておかなくてはならないのかもしれませんが、これって負担がかかって見込みが狂うと命取りになることにもなりかねません。
この現象はこだわりを持つ品に多く見られ、差別化を図る店作りを難しいものにしています。
今日もある商品で、お客様からのご注文が入り発注を入れると、品切れをしていて半年間お待ちいただければ準備することが可能であるとの返事が返って来ましてね~
お客様のお望みを叶えられないことにガッカリさせられました。
厳しさが増していることを物語っていますが、生半可な気持ちで商売ができなくなってきていることだけは確かなようです。
それでは今日はこれにて・・・
おやすみなさい。